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切ない春休み

「私、恋人できるかな」 「ん、できるよ」 「かわいくなった?」 「昔はかわいかったけど、今は綺麗になった」 ふふっとまた森田は笑い、ぽろっと涙を零した。 和希はそっと森田の身体に腕を回しふわりと抱き寄せた。 和希の胸あたりをきゅっと掴む華奢な手を撫で、森田の涙が止まるまで背中を擦っていた。

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