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溢れる家族愛
「気持ち届くといいな」
和希が言うと豪は少し眉を下げた。
「付き合うとか、そういうのにならなくてもいいんだ。
お祖父ちゃんお祖母ちゃんとこから離れて一人暮らしだって言ってたし、
友達もほとんどいないみたいだから、友達になりたい、何か力になりたい。
風ちゃんの近くにいて何かできるなら、彼氏とかじゃなくてもいいんだ」
泣きそうになった。
つんと鼻の奥が痛み、浮かんだ涙でぼやける目で豪を見上げた。
無償の思いが届いてほしいと心から思った。
そのために自分ができることがほぼないのが心底悔しく歯痒かった。
「何か話したくなったらいつでも聞くから一人で考え込むなよ」
和希の絞り出したような言葉に豪はありがとうと嬉しそうに笑った。
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