4 / 8

第三火曜の男1

 街の片隅にある小さなゲイバー。  そこに“第三火曜の男”と言うあだ名を持つ、有名なヤツがいた。  あだ名のとおり、彼がバーに顔を出すのは決まって第三火曜日のみ。  一人でフラリと現れて、静かに飲んでいく。  線が細くて憂いのある横顔が美しい男で、彼とベッドを共にしようと声を掛ける男は少なくない。  誘われると彼は決まってこう答えるそうだ。 『酷いことしてくれるならいいよ』  と。

ともだちにシェアしよう!