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物語本編 03
財前が一歩鈴木に歩み寄る。
同時に思わず一歩、後退る鈴木。
財前「俺は鈴木の視線にちゃんと気づいてるってこと、伝えたくて」
微笑む財前と、戸惑う鈴木。
鈴木「見てる……っていうか、席前後だから、嫌でも見えるんだけど」
財前と鈴木なので、出席番号が前後の二人は、教室の座席も前後。
財前の後ろの席の鈴木は、必然的にいつも財前の後ろ姿を見ている。
無駄に色っぽく口角を上げる財前。
財前「ああ、大丈夫。ちゃんとわかってるよ。いわゆる、ラッキースケベってやつでしょ?」
鈴木「……はあ?」
さすがに鈴木も訳がわからないという顔になる。
鈴木(なに言ってんの、コイツ?)
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