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物語本編 09

≪日曜日≫  約束の時刻は14時。  10分前に待ち合わせ場所の駅前広場にやって来た鈴木は、街灯に凭れて立っている財前の姿を見つける。 鈴木「あれ、もう来てる。早く着きすぎたと思ったのに」  鈴木に気付いて顔を上げた財前が、爽やかに笑う。  私服姿だと、普段より更に垢抜けて見える財前。 鈴木(黙ってると、マジでイケメンなんだけどな) 財前「俺が先に来るのは当然だよ。記念すべき初デートで緊張してる鈴木を、待たせるわけにはいかないから」  口を開けば零れる財前節に、ガックリ項垂れる鈴木。 鈴木(ホント、黙ってればなー……)

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