6 / 39

第5話

やっと起き上がれるようになった時、 まだ、はっきりしない頭のまま、 尚之が浴槽の縁に勝己を掴まらせて、 腰を自分の方へ向けた。 勝己はお辞儀をしたような体勢になっている。 「……脚を閉じて……」 今まで聞いたことの無い甘美な声で、耳元で囁かれる。その声にすら背筋がゾクゾクと震えてしまう。言われるまま脚を閉じると脚の間に鉄の塊のような熱を感じた。 ――いったい僕はどうしてしまったんだろう…?なんで、言うことを聞いてるの? 息を整える間もなく、風呂場で行われているこの行為は本当に必要なことなのなのか? ゆっくりと尚之が腰を動かすと、自分の下半身も一緒に擦られて、新たな快楽が生まれる。 「ひやっ……あっ、んぅっ……ふぅ…ん…」 甘い吐息が漏れ始める。 それが素股だということは、後々になって 知ることとなったのだが…… ――将人には強烈すぎるだろうから、僕が教えてあげるべきかなぁ? ぼんやりした頭の中でそんなことを考えていた。 それも束の間、急に義父のピッチが上がり、 さっきよりも質量が増していて、 自分の子供のものより立派で長い肉棒が 張り詰めた自分を擦りながら、出たり入ったり しているのが視線の隅に入る。 ペニス同士が擦れあっているのだから、 幼い勝己が次の絶頂に導かれるには 充分なほど擦られて、尚之が白濁を 飛び散らせる間に、勝己は2回、吐精した。 シャワーで身体の泡や白濁を清めてから、 尚之はヘロヘロになっている勝己を 抱き抱えたまま、浴槽で湯に浸かる。 その間も「可愛い」「良かったか?」などと 言いながら、機嫌良さげに首筋にキスを 繰り返し落としていた。 これになんの意味があるのかを理解するには、 勝己は幼すぎた。 義父が次男ならともかく、間もなく12歳になる 長男相手に『可愛い』と言われても、 変な気分だった。この時に嫌悪感は抱かなかったのだが、不自然さは拭えなかった。

ともだちにシェアしよう!