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第7話

「お義父さん、僕にも家事を教えて欲しいんだけど?」 突然の申し出に尚之は一瞬、戸惑った表情をしたが、すぐにニッコリと微笑みながら 「突然、どうしたの?」 「お義父さんが出来るなら、僕も覚えておいた方がいいと思って。そうすれば、今まで出来なかった残業とか、仕事の負担も減るでしょ?僕が出来ない時も出てくるかもしれないけど、できる限り、分担することも必要だと思うんだ……おかしいかなぁ?」 尚之はクスクスと笑いながら、 「いい心がけだね。私にまで気を使ってくれてありがとう。そうだね。少しずつ、手伝ってくれるかい?今は男女平等だからね。おばあちゃんの味も、そのうちに教えてあげるね。」 そう言ってまた、可愛い、と言いながら頬にキスをされた。天然のタラシなのか?この男は。 まずは皿洗いからスタートした。 洗って、水を切って、布巾で拭いて食器棚へ運ぶ。突然の兄の行動に将人が戸惑って 「俺も何かした方がいいか?」 と聞いてきたが、 「将人はクラブで疲れてるでしょ?サッカー頑張ってるんだから、そのままでいいよ。僕が覚えたくて、お義父さんに頼んで手伝わせてもらってるの。そのうちに僕が将人のお弁当を作る!!楽しみにしてろよ。」 「へぇ〜、それは楽しみだな。期待してる」 「信じてないな!!そんな奴には作らない!!」 「信じてるよ〜。ガッツリしたのを頼むからな。期待を裏切らないでくれよ?」 「生意気!!」 そんな会話を尚之はテーブルを拭きながら クスクス笑ってみていた。 「君たちといると、本当に飽きないよ。将人に作る時には、私にも作ってくれるかい?」 「3人分つくるよ!」 鼻を鳴らすようにフンっと言い放ってしまった。これは後には引けない状況を自分で作りあげてしまったのだ。 頭を抱えるわけにもいかず、心の中でため息をついてから、自分に気合を入れる。 ――絶対に実現させてやるんだからな!!

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