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第25話

「口唇を噛むな、傷がつく……」 猿ぐつわをするようにタオルを口に巻かれる。 「少しの間の我慢だよ?口唇に傷がつかないようにね……俺を求めてきたら外してやる。」 求める……?本当は求めたくなんてない…… けれど、数日間抱かれ続けた躰の弱点を知る男は、容赦なく愛撫を繰り返し、指や舌を使い全身をくまなく刺激し続ける。 最初こそ、強ばらせていた躰が強い愉悦に 弛緩していく…… 「……んっ、んっ、んーー……」 声が出ない代わりに、鼻から音が抜けていく。 裏筋を柔らかく舐められると堪らなかった。 「……んーーーーーーーーーーーっ」 背が仰け反る。眦から、愉楽の涙が落ちる。 2つの果実を口で含み舌で転がされてから 足を持ち上げられ、恥ずかしい部分を全て 尚之へと晒す格好になっている。 会陰を強く舐めてから後ろの蕾へと舌が滑る。 男の会陰も表の前立腺のひとつだ。 強く吸ってから擽るように舐められる。 ゆっくりと躰をほぐすように緩急つけて舌を 這わせる。悦楽の縁で理性と闘っているのを 見越されたように双丘の付け根を甘噛みしたり 内腿に鬱血痕(キスマーク)をつけたりしながら 男の弱点である股間に戻り、舐め回される。 もう、躰は完全に堕ちていた。 タオルを外され、口腔内をも犯すようなキスが 降り注ぐ。噛み付いてやろう、などという 気持ちは頭の隅に追いやられてしまった。 深い、深いキスをし、それに応えながら 腕の拘束を解かれると、着ていたシャツは 脱がされ、投げられた。 勝己の腕も、尚之の首に回る。 長い長いキスが続いた。 攻めららるキス、応えるキス、互いが 夢中になり舌を絡ませ、唾液を飲ませ合う。 飲みきれなかった唾液が口の隅から こぼれてることも気にせず、互いが互いを 求め合うキスを舌が痺れるほど続けた。 キスから解放されると また、尚之が下腹部に顔を埋める。 躰を反転させられ、腰を高くするような 格好になると、迷うことなく双丘を開く。 解すように少しずつ舌が後孔が出入りして、 丹念にそこを舐められて甘く痺れるような 快感が脳髄まで駆け上がる。 もう、理性などほぼ残っていない。 ――なんで、こんなに手馴れてるんだ? 腰の奥が疼いて堪らない。 ……僕はこの人に抱かれない限り、性欲は満たせない躰になってしまったのだろうか? それが真実なのか、錯覚なのかわからない…… 尚之の手で温められたローションが 奥の蕾に垂らされる。それを塗りたくられた 後孔にさらに足されたローションで たっぷり濡らされた指が挿入る。 ゆっくりと抜き差しされるその指が的確に弱いところをかすめながらより深いところに入っていく。最初から2本入っていた指がさらに増やされると、その指を中が扇動して指を誘い込む 「どこでそんな煽り方を覚えてきたんだ?」 「……こんな悪趣味なことをするのは……義父さんだけだよ……」 悦楽に溺れながらもそんな会話をする。 不意に指が引き抜かれる。開かれたそこは ぽっかりと穴を開けたままその次の快楽を求めヒクついている。そこを恍惚の表情で 尚之が見下ろしている。 「……あっ……も……欲し……ぃ……」 全裸になっている尚之もローションで 濡れた指で、自身を軽く扱き、その逞しさを 見せつける。 「俺が欲しいか?」 興奮しているのか、息が漏れるような声で 問われる。早く、その大きなモノで貫かれたい 「……はや……く……欲し……」 もはや自分が何を言ってるのかすら 理解出来ていなかった。 尚之はその言葉に満足した様子で その熱い熱塊をくぱぁと口を開いている 後孔にそれを押し当てた。 また、躰を反転させられる。大きく開いた 脚の間には挿入る準備を整えた尚之がいる。 ゆっくりと甘やかすように額にキスを落としながら勝己の躰に侵入してくる。 明らかに彼女を抱いた時とは違い、 その抱き方は丁寧なものだった。 「この部屋は防音だ。思いっきり声を出せ」 その言葉を皮切りに、カリの太い部分が入ると一気に貫かれた。 「あーっぁ……っ……あっ、あっっ……」 優しい律動が続き、顔のあちこちにキスが 降り注ぐ。胸の尖りへの愛撫も抜かりない。 ……ダメだ……僕は男に抱かれる方が、 快楽を得られる躰になってしまった…… 気持ちいい……なんて満たされた 気持ちになれるんだろう…… これが尚之の言う『メス堕ち』というやつ なのだろうか?

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