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第26話
尚之の体力、精力は凄まじいものがあった。
彼女とのセックスの後だというのに、その勢いは異常だった。
口唇が腫れるくらいのキスをし、腰を揺すられながら、前への刺激も忘れない。
蜜壷も枯れ果てて、勝己の精液が出なくなっても、尚之はなかなかイカない。
そんな尚之とのセックスは1回目だと言うのに横目でチラリと見える時計で確認をしてみると2時間は続いていた。
「……イイ表情 をしてる……もっと顔を見せて?声も我慢しないで……」
うっとりとした口調で、尚之はキスをし、口腔内を暴れ回る。それすらも気持ちいい……
イキっぱなしの躰は、女性のオーガズムを
連想させるような、長い快感が続く。
どこを触られても性感帯なのではないか?
そんな錯覚に陥る。
彼女とセックスした時につけていたゴムは勝己には使用されない。長いこと攻め立てられていた躰の中に、やっと出された尚之の精は熱い飛沫を躰の奥に叩きつけるように吐き出されていた。どれだけの量の子種を吐き出されたかもわからない。
そのままの硬さを保ったまま、今度はスローセックスで翻弄される。
焦れったいが、ゾクゾクと背中から脳髄を焼くような愉悦が躰を支配している。
そんなセックスも長い長い濃密なものだった。
後戯の最中でも、肌と肌を合わせて、互いを求め合う。軽いキスすら気持ちいい。まだ、セックスが続くのではないか?という期待と恐怖が入り交じった気持ちが溢れてくる。
ただ、この人を好きなのかはわからない……
そんなことをぼんやり思っていると
突如、尚之がベッドから抜け出し、ラフなスタイルの服を着用し始めた。
「いくら、この部屋が防音でも、そろそろあの子を帰さないとね、その後はまた抱き合おう」
と部屋をあとにする。ドアを少し開けて、
2人の様子を覗き見ていた。
彼女を起こしてタオルを巻いて行くように
渡したようだ。そんな会話だけ聞こえてくる。
彼女はシャワーを浴び、自分の服に着替え、
再度、荷物を取りに戻ってきたようだ。
「あの……また、会ってくれますか?」
1度のセックスで彼女は尚之に入れ込んで
しまったようだ。
悔しいことにそれだけ、女性を満足させる
ものを持っているということだ。
「昨日のことは事故だと思ってもらえるかな?
……息子の彼女なのに……キミも未成年だし、本来なら警察沙汰だしね……突然申し訳ない。キミがあまりにも魅力的だったから、嫉妬してしまったよ……」
「……だったら、なんで……」
自分を呼ぶような真似をしたのか?と
言いかけた彼女をはねのけ、
「……だからごめんね?」
と優しい口調で返していた。
「うちの息子のことをよろしく頼むよ?
親の私が言うのもなんだけど、可愛くてね、
大事に育てすぎてしまったんだ。
知らないことがとても多い子だし、未成年者
だからね。そういうことを含めてまだ、あぁいうことは教えないで欲しいんだ。」
彼女を完全に切り離す作業に入る。
「でも、もう、これ以上の問題は起こさないように、この家には来ない方がいいかな……」
「……そ……そうですね……」
彼女は少し脅えたような声でそう返した。
口調は柔らかかったが、たぶん高圧的な
雰囲気を出して言っていたのだろう。
そういうことが得意な男だ。
それにしても、僕をよろしく……って……
そんなことを言ってもよろしく、など
出来るはずもなかった。
もう、彼女とはこんなことがあったら、
付き合うことなんてお互いに無理だ。
彼女は尚之を好きになってしまっている
様子だし、目の前で2人がセックスをしてる
ところを目の当たりにしてしまっている。
それに、セックスはするな、と釘を刺した。
自分は良くて、彼女がダメな理由を述べて
もらいたいものだ。
送っていことも無く、玄関まで見送ると、
彼女をそのまま家から出して、
『これは秘密だよ?』と尚之の声がして、
彼女も小さく『……うん』と言う声がした。
玄関の閉まる音がする。
そのまま彼女には帰ってもらっていた。
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