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第32話
勝己を仕上げるにはもう少しのところまで
きた。たまに手を出さずに抱きしめて
眠るだけ、という日を作る。
もちろん、休みの前日、という前提で、だ。
最初の頃はなんともなく翌日も過ごしていたが
夜には自分が我慢出来ずに体を繋ぐ日も……
勝己の様子も段々と、翌日も寝不足のような
日もあれば、欲求不満そうな顔をしてる日も
あれば、朝から求めてくる日も出てきた。
そんな日はスローで攻め立てて
「焦ったい……」と言われてもじっくりと
ゆっくりと追い上げて最終的には躰を
痙攣させるほどトロトロに蕩けさせてやると、満足気に疲れ果ててしまう。
そんな勝己の姿を見るのが好きだ。
額にキスをしていると、「口唇にして?」
と強請ってくるのが堪らない。
思ってた以上に『メス堕ち』してくる姿に
異常なほどの興奮を覚える。
思ってたほどの速度ではなかったが、
もう、ほぼ『メス堕ち』したといっても
過言ではないだろう。これで女で勃つと
いうのなら、何度でも仕込んでやる、と
思うほどの執着も自覚している。
自分好みに仕上げることがこんなに楽しい
ことだとは思わなかったが、勝己だけにしか
こんな気持ちになることはないだろう。
「……尚之さん……」
寝室に入った瞬間に甘えた声で言う時は、
大概が強請っている時だ。
そんな姿が可愛くて、即座に抱き寄せて
深く口付けるとすぐに腰が碎ける。
そして欲望の証が強調してくるのだった。
キスをしながらズボンを少し下ろしつつ、
ベッドへ押し倒しながら、パジャマのボタンを外し、ズボンもウエストがゴムなだけあって、即座に下着ごと寝かす前に臀の下まで下ろしてあるので簡単に脚から抜かせてしまう。
ベッドで寝かせる頃にはパジャマと下着は
既に床に放り投げられた状態になる。
そこを口に含みながら、勝己の唾液でたっぷり濡れた指で後ろの蕾を撫で回してから、ゆっくりと指を挿入してやり、イイトコロで、指をトントンと叩いてやると、今度は背を反らせ快感を知らせてくる躰の中と外から同時に刺もらうことが好きになってきていた。
指を入れたまま、スベスベした肌を口唇や舌で
感じるところを中心に刺激してやると
「……あっ、あっ、あっ……あぅん……」
言葉にならない喘ぎ声を上げる。
まだ、この時点では遠慮しがちの喘ぎも、
徐々に理性を失っていくと悲鳴に近い喘ぎに
変わる。
口唇に舐めてた舌が到着すると口を開けて
招き入れてくれる。
深く口付けると、積極的に舌を絡めるようになり、腕は尚之の首に回り尚之の空いた片手は、勝己の後頭部に回り、互いを固定し合うように唇を求め合う。
キスと中の前立腺への刺激で白濁を噴き上げる。ハァハァ、と息を吐き出してるところに、
さらに中に強い刺激を与えると、萎えかけていたペニスは即座に力を取り戻す。
吐き出した白濁を舐め取りながら指を増やし、受け入れる準備を本格的に始める。
その動きも焦れったそうにしながら、
「……あっ、ァん……もっと……強く……」
と誘ってくる。半分理性が飛んでくると、
普段は言ってくれないことも言ってくれる
ようになる。それが愉しい。
「……どこを強く?」
「……な、か……ぁん……きも…ち……イイ」
「指でいいの?」
「……今は……指……後で……尚之さん……くれる?……僕の中に……」
「好きなだけあげるよ?俺のが好き?」
「……ん……おっきい……尚之さんの……奥まで届いて……好き……」
全くの煽り上手に成長していた。
その言葉が尚之の腰にもズシッと響く。
「好きなだけあげるよ……後でね……」
そう言って舌なめずりをしたのだった。
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