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第37話

「……尚之さん……どうかしたの?……」 「……なにが?」 「……なんか、いつもと違う……こう……何かにイラついてるような?」 息を整えながら、少しずつウツラウツラし始めてる勝己を抱きしめる。 「……将人が夏休み中、帰省するんだろう?私が勝己との時間を裂かれるのが嫌なんだよ…」 カッと頬を赤く染める勝己が可愛い。 「……でも、ここは将人の家でもあるわけだし……でもね、GWの時みたいに別々の部屋で眠るの……なんか、慣れなくて……習慣って怖いね。でも、ここで一緒に寝てたらなんか言われるよね……?」 「……言われるね。それに、まずは私が殴られるだろうね。お兄ちゃんっ子だからなぁ……」 「殴るなんてとんでもない……」 その言葉に躰を起こして不安げに尚之を見つめる。すっかり勝己の目は覚めてしまったようだ。眠ったら掻き出してやろうと思っていたがもう1回くらいできそうな勢いだ。 「俺は勝己を愛してるから、誰にも文句は言わせないよ……」 と口付けて体勢を入れ替えて、勝己を組み敷く。そのキスに応えてくれる勝己が可愛くて仕方ない。鼻から「んっ、んっ、」と漏れる声がたまらない。 16歳の誕生日の夜、勝己の初めてを奪った。 最初こそ反発していたが、彼女を寝取られ自信を無くしてしまった。この子を手に入れる為には、どんな手段だって使う。 若さ故に躰も心も柔軟性があり、躰に快楽を植え付ければ、心も堕ちて来るのも簡単だった。諦めもあったのだろうが、今では快楽に溺れている可愛い存在だ。 躰を繋がなくても、射精だけはさせてやる日もある。徹底的に愛撫をして、簡単には出せないようにペニスバンドで根元を締め付けて意識が飛ぶ直前まで躰の中に快楽を植え付けた。 指で前立腺を擦り続けながらも、愛撫を受け続ける躰と、中イキし続けたペニスは、ベルトを外すと勢いもなくダラダラと粗相をしたかのように流れ落ちる。やっとの解放なのに、躰はイってる状態からは解放されない。 「あっ……あ……あ……あ……」 と短い喘ぎをしばらく続けて疲弊仕切った躰はそのまま重たくなった瞼を閉じる。 濃厚なセックスしか教えて来なかった躰は、 簡単なセックスでは逆に躰が燻るだけだ。 逆を言えば、自分もそうだ。女では満たされない快楽を知ってしまった。自分の手の中で乱れる可愛い存在が今もこの手の中にいる。 この存在を手離したくないくらいには大切に性的にも育ててきた。今では自分好みに育ってくれている。褥を共にするようになってからは、尚更だ。歳を重ねて、色気も出てきた。 会社の人間が男女問わず、その色気に気付いている。だから、お茶1つ配るのに時間がかかりすぎるのだ。特に秘書課の連中は次期社長と決めつけて、その座を狙っている。 そもそも引退する時に、時期社長の椅子には勝己を付ける気はさらさらない。 元々は自分で立ち上げた会社で世襲制にしようなどと考えてもいない。最悪、自分が引退する頃には従業員の解雇をしない、という契約で売ってしまってもいいのだ。 元来、これほどに大きくなるとは思ってもいなかった。といっても、大企業と呼べるようなレベルではないけれど、従業員を100名程を抱える企業にまでには成長した。 将人に継ぐ意思があるなら譲りたいと思うが。 夏休みで帰省したら、最初に話してやろう、と決めた。勝己の卒業後の進路も自分で決めさせようと思っている。ただ、就職は自分の元だ。 2回戦目が終わる頃には、勝己は半分意識を飛ばしていた。 「……なお……ゆきさ……好き……」 そう言って瞼を閉じた。 「俺も愛してるよ、勝己……」 眠る額にキスをした。

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