17 / 44

第17話

ここは、騰礼の家。 というより、大きな宮殿。 そして、これから第1回超乱交大会が始まる。 俺、きっと...死ぬ。 義栄「さぁ、始めようかお姫様?」 仁嶺「わたしも、最善を尽くすよ。」 耽淵「俺、も。」 騰礼「フォローはする。」 ◯◯◯◯◯◯◯◯ 鮮やかな夕焼け色の瞳を 騰礼と分かち合ったのは昼過ぎ。 そこから、気を失うように眠り 祝詞を上げ続け喉も気力もカラカラになった祖父と 漸く対面したのが、夕方だった。 そうして聞かされた、天帝のお告げはこうだ。 「桃李を仙桃妃としては認めるが、 巡りを戻す事を条件とする、そうだよ。」 仁嶺が、苦笑めいた表現で告げてくるが、 言っていることが、さっぱり理解できない。 桃李は、横に座る騰礼を見上げ小首を傾げてみせた。 「通常、俺たち全員で封印を解いた後、 今回お前が最初に力を与えるのは仁嶺だった。 だが、封印を解除する前にソイツが半端に気を与えた。」 "つまり、儀式でぶっ倒れて 騰礼とくそ激しいセックスすることになったのは 最初の日に仁嶺が仕掛けてきたあの路チューのせいって事か" 桃李は、クワッと目を見開き、事の犯人を睨み付ける。 「あはは、すまなかった桃李。」 爽やか紳士なイケメンが、眉を潜めて謝る。 途端、桃李の胸が鳴る。 「いいよバカ仁嶺、ホントムカつくけど。 で、どうやって巡りってのを戻すんだよ?」 "癪に障ると思っても、もうイイやって許すのは ...多分、コイツらが好きだからだ。 多分、きっとそうだ。 男は下の毛が生えたら もう自分で自分を育てていくもんだって、甘党天パ先輩が言ってた。" うんうん、と頷く桃李は、 ひたすらにジャプン漫画に感謝していたが、 現実は時に余りあるほど酷い。 「オレら全員に抱かれるんだとよ、お姫様。」 ハッとする程、耳に響いた鋭い声は義栄。 シルバーの長い癖毛と、瞳はまるで猫のように丸い。 だが、意地悪さが前面に出ている。 正直、桃李にとってあまり近寄り難い存在の龍。 だが、彼らを守ると誓ったのは桃李だ。 抱かれろと、天帝が言うならそうするしかない、が。 「嘘だろ。」 「嘘だ。」 「違う、!」 「無理だ!」 ニヤリと揶揄う様な声と、焦った鋭い声が二つ。 「え、どっち?」 声がした面々を見ると、ニタニタと義栄が笑い 仁嶺は真っ赤な顔で、騰礼は苦笑していた。 "可愛いな、こいつ。" 戦では、圧倒的な力を持つ男が 優しく不器用に焦っている様は唐突に愛おしさを込み上げさせる。 堪らず、桃李は男の方を向き、間近にあった肩へ軽く口付けた。 「おれのために、焦ってくれてる?」 「...違う。まだ俺の色を変えたく無いだけだ。」 良いことを一つ発見した。 "騰礼がデレた。" 「それで?本当はどっちなんだよ。 おれ、乱交なんてした事ないんだけど。」 しばらく無言が続いた後、 結果、乱交だった。 通常、封印を解除する際、勿論乱交ではなく、 全員に口付けて気を蓄えさせるのが通常。 だが、今回あり得ないほど枯渇している龍を、 このまま巡りに戻してしまうと、 1番最後の龍が、順番待ちしている間に穢れに満ちてしまう確率が高い。 つまり、他の龍をフルチャージしつつ、 元の東西南北の順になるよう龍に抱かれなければならない。 前回は、北の玄武 耽淵(だんえん)が最後だった。 今回は、東の青龍 仁嶺(じんれい)の後に桃李が気を与える筈だったのは、 西の白虎 義栄(ぎえい)だった。 だが、封印を解除する為に、南の朱雀 騰礼(とうれい)と順番が入れ替わってしまう。 それで、一度西の順を飛ばし 南から順番に北、東、西までやり直そうと言うことになった。 「騰礼は、さっきシたよな?」 「あ、あぁ。」 「お前も、乱交したいの?」 「今のお前は俺のものだからな。」 「スケベ。」 そして、天界 高天原で始まる。 第1回超乱交大会。 ルールはただ一つ。 エロく正しく抱かれる順番を守る事。 用意された、朱色で金の刺繍がされた豪華な布団。 そこに座らされた天塚桃李。 背後には、騰礼の胸。 右には義栄、左は耽淵、そして右脚に仁嶺。 ゴクリ、と生唾を飲んで覚悟を決める。 「お前ら全員かかって来いっ、!」

ともだちにシェアしよう!