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第24話
「さぁ次は、私の相手をお願い出来るかな。」
ズルリ、と耽淵の屹立が桃李のナカから抜ける。艶かしい薄桃色の後孔が開いては震えている。
「ぁ。まって...ダメ、でる...でちゃう。」
桃李は慌てて、後孔に手を回すがその手はすぐさま耽淵に捉えられた。
「見せて。」
「いやだ...っ」
どれだけ優しく口付け、
熱く見つめ口説かれても、
受け入れたものが、
はしたなく漏れる様は見られたくない。
「その表情は、男をそそるだけだぞ桃李。」
「ん...ふ、ふぅ...ぅ?」
ねっとりと輝く黒の瞳一杯に
一生懸命に口淫をしていた桃李が
羞恥心に堪えきれず涙を浮かべ始める。
だがそれが、いけなかった。
朱色の瞳を持ち、桃李に劣情を咥えさせる眼前の男をたぎらせてしまった。
「ひ...っ、わむっ!」
騰礼が突然、
桃李の後頭部を掴み彼の咥内中を支配した。
「はぐ...っ、むぅ、う、」
桃李は息苦しさの中、
必死で舌を動かしていく。
歯を立ててしまっては、
きっと痛いに決まっている。
「兄貴、姫の手を離せよ。オレが暇だ。」
耽淵に柔く捕らえられていた左手が解放され、
今度は義栄き手をとられ、
その甲へと、そっと口付けられた。
「んぅ、っぐぅ...っ、」
それは、優しく労わる様な気配が伝わる口付けだった。それだけで、桃李の胸が小さく鳴る。
"強引で、好き勝手する癖に。
こういう所が、一々甘いんだよバカ。"
だが、そんなトキメキは一瞬で終わる。
「んんンッ、あ!」
口一杯に、騰礼を飲み込んでいるせいで
言葉が全く出なかったが
突如、お尻の付け根辺りをぬるっとしたものが這い上がってきた。
それだけではない。
散々放置されていた自分の屹立を、
ユルユルと誰かが手で擦り始めたのだ。
「桃李は、骨まで感じる様だね。」
「でも、こっちもガチガチ。」
察するに、仁嶺が尾骶骨を舐め上げ
耽淵が、桃李の屹立を手淫しているようだ。
「嗚呼...堪らない姿だね。」
口では、喉の奥まで男根を受け入れているというのに、腰は前を手淫される快感でガクガクと揺れている。
更には、触れられてもいないのに反応を見せる後孔。それを、必死で隠そうとした手は今、
義栄に捕らえられ舌で愛撫されている。
こんな淫らな姿でさえも、四龍は悦んで受け入れてくれる。
そう思うとよもや、恥ずかしいからというだけで、求められる行為を拒んでしまった事が、
何故か情けない気持ちになってきた。
桃李は、元来優しすぎる所がある。
しかし、求められて嬉しくない訳が無い。
そして、この淫らな行為こそが
天界ですべき桃李だけが担う役目なのだから。
だが、今更ながら、ふと骨董屋の台詞が頭をチラつく。
『いやぁなんだ、その、なぁ。
男に生まれたからにゃ、せめて!
童貞卒業してから還してやりてぇなー、と思ってよお!』
"ホントそれな。"
それでも、後悔はしていない。
それに、桃李も男だ。
気持ちいい事は好きで、愛されるのも好きだ。
だから、龍がこの身に望む事なら何でも叶えてあげたい。
そう思い、桃李は空いた右手でそっと
背後にいる仁嶺の頰に触れ、たどり着いた尻たぶをくい、と開いて見せた。
激しい羞恥に耐えながら、
いよいよ初めての行為に至る。
「嗚呼...桃李。」
凝視される部分を意識して、
出来るだけ力を抜く。
たっぷりと注ぎ込まれたのだ。
準備はそれだけで、十分だった。
「ん、んぅぅ....ぅぅ、」
自ら開いて見せた後孔から、
焦らすように、とぷりと白濁が溢れてきた。
それは、一度では終わらず
桃李が腹に力を入れる度、ナカからとぷとぷ垂れてくる。
尻たぶから、その下の柔らかな膨らみや桃李の屹立、そして、太腿までを白く濡らしていく。
まるで、排泄のような行為。
これは、毒性を孕んだキケンな快楽の匂いがした。
「もういい、桃李。今度は俺が奉仕しよう。」
「だったら、桃李は仰向けになってご覧。
もう膝が辛いだろうからね。」
仁嶺の一言で、
桃李は布団へと支えられ横耐えられる。
そして、
桃李が自ら魅せた痴態に、興奮冷めやらぬ
龍たちがそれぞれ場所を立ち代る。
頭上には耽淵が、
桃李の両手を捉え押さえて座る。
左には奉仕すると言った騰礼。
右には、胸の飾りばかりを愛撫する義栄。
そして、大きく開かれた足の間には
翠の髪と瞳の男、仁嶺。
何時も優しげな瞳が、今は何故か険しさを浮かべている。穢れが蝕んできているのかも知れない。
「仁嶺...、?」
どうしたの、と聞こうとして不意に唇を奪われた。
「ふ、ふ...むぅ、ん」
厚く長い舌が、絡み擦れ合い心地よさを生み出す。絡めあい、十分な程に擦れ合わせるのが仁嶺のキス。路上で、初めて交わしたのもそうだった。
「ぷ、は...、」
漸く解放された唇が、
しかし触れ合ったまま仁嶺が囁く。
「私たちの思う以上に、
桃李は優しく、可愛いね。
そして、どんな淫らな要求にも応えてくれるいい子。」
触れ合う唇を、話す合間に軽く吸われる。
「とても、愛おしい私たちの宝だ。
だから、どうか耐えてくれ。」
「へ...ぇ、ひ、ぃっ!ぁあ、あ....っ、ああ!」
突如、桃李を襲ったのは腹のナカを突き進んでくる男根。それも、どの龍よりも太く、長い。
少しずつ、一番太い部分が埋められ
ズズズッとナカを擦り上げていく。
「ふ、ふ...っ、ふ、くッ」
余りの苦しさに、身をよじって無意識に逃げを打つ桃李だが、その両腕は耽淵に捉えられ、
暴れる腰は、騰礼が押さえ震える桃李の屹立を舌で愛撫し始めた。
逃げ場を失い、視線を右に流せば義栄がそっと頭を撫でてくる。
「兄さんのお陰で、かなり奥まで拓いてるよ。」
「桃李が、辛いのは嫌だから。」
「ええ、ありがとう兄さん。」
頭上で交わされる会話を、桃李はぼんやりと聞いていた。
"そういえば、
耽淵のストローク長かった、な。"
それもこれも、
次の仁嶺を受け入れ易いようにと、してくれたのだろう。シャイで、言葉少ない彼の優しさが、垣間見えた気がした。
「だ、えん...ありが、と。」
「うん。でも、多分まだだよ桃李。」
「ま、だ?」
「うん、まだだよ。」
身体中に愛撫を受けながら、その一言にヒュと脳みそが凍り付いた。
既に、桃李のナカはこれ以上奥が無いところまで仁嶺は来ていたからだ。
耽淵が、執拗に打ち付けてきたある部分に
先程からずっと、仁嶺の太い括れ部分が当たっている。
ナカがヒク付く度に擦れ、
まるで付かず離れず口付けているような感覚。
「も、ぅ...は、いらないよ」
そこを余裕で、擦られるという事は途方も無い快楽が待ち受けている事だ。
だが、強すぎる快感は同時に恐怖も生む。
「大丈夫だ桃李。」
「オレのも入ったんだ、兄貴のも入るさ。」
「僕も、」
気付けば、仁嶺以外の龍が皆
桃李を囲んで、頭や頰を撫でたり、口付けを落としていた。
「まるで、わたしが苛めてるみたいだなぁ。」
「んぅ、んっ、ンン、!」
仁嶺が軽く腰を揺する度、
気が遠くなる程の快感が駆け抜ける。
「桃李、無理をさせてすまないが
わたしの唾液を飲んでくれるかい?
今度は、儀式も済んだから心配要らないよ。」
「ほ、ンとに、?」
話す間に、小さな喘ぎが入ってしまう。
「さぁ、舌を出して桃李。」
熱く濡れた舌が、触れ合った途端絡み合いキツく吸われる。腰も強めに穿たれ、
桃李の感じる部分を、コツコツ突きナカの収縮を緩めていく。
それが、五分か十分か続けられた時、
ふと、仁嶺が甘く囁いた。
「さぁ、飲みなさい。」
トキリと、する程に響いた声は、桃李の胸も耳も、喉すらも虜にし言われるがまま、こくりと仁嶺の唾液を飲んだ。
そして、駆け巡るビリビリとした熱い快楽と同時に訪れた法悦。
「イ、やぁあア_______‼︎」
最奥、前立腺の更に奥に、その場所はある。
通称 コールラウシュの更に奥。
桃李は、今までこんな快楽を味わった事が無かった。前立腺までも、擦り上げ
それだけで、絶頂を繰り返したと言うのに、
他の龍の誰も触れなかった最奥を
仁嶺の劣情が一番太い部分が、ぐぷりとこじ開けてきたのだ。
無理矢理、押し開けられ
ズンッと最奥の壁へ押し付けられた。
たったこれだけで、絶頂に達した。
息も出来ないほどの、身体の絶頂が桃李を支配する。達したばかりだと言うのに、
硬い熱い仁嶺の熱が、狂おしい程に悦かった。
まだ、視界に煌めく星を見ながら思った。
"ほしい、"
"仁嶺の、硬い熱いのほしい。"
「と、桃李っ、!」
慌てる仁嶺を他所に、
桃李は好き勝手に疼く身体に正直になる事にした。
じくじくと疼いては、キュと締まる最奥。
だらしなく開いたままの唇。
とろとろと、溢れ出る桃李の精。
そして、仁嶺の腰に絡みつく自身の足。
全てを、思うがままの本能に従う事にした。
唾液に含まれる媚薬のせいか、
愛を確かめ合う行為のせいか、
どちらにせよ、求め、求められるのが桃李の役目。
口から出る喘ぎもそのままに、
桃李は、理性を無くした甘い声で言う。
「もっと、シて。」
龍も惑わせる桃の香りを纏い、
鮮やかに翠になった髪と瞳で囁きかける。
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