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第3話
すっかり暗くなった空、開け放された窓からは猫が鳴くような声が聞こえる。
「このあたりは猫が多いんですね」
ってニオアさんに聞いたら猫じゃないと、教えられたのはちょっと前。
この声が猫ではなく鬼人のお嫁さんの声だと身をもって体験させられました。密室で。
「イリヤは俺以外の誰に聞かせるつもりだ?」
ってちょっと怒りぎみに言われた時、僕の胸がきゅんとしたのは秘密だ。
つまりにゃんにゃん聞こえるのは鳴いているのではなく鳴かされているんだと気づけばもう本当に居たたまれない。
それもひとつ所ではなくあちらこちらで。
もちろん、夜だけじゃなく日中も。
街中を歩いていると時折甘い声が聞こえてくる。
その度にびくっとなる僕にニオアさんはいつも頭をそっと撫でてくれる。
そんなときの僕は飼い主に撫でられた犬の気分になる。
鬼人の街ら全体が性におおらかだ。
うっかり茂みを覗いたら致していたなんてザラだし。
郷に入らば郷に従がえ…とはいうものの、
いやいや、さすがにこれは無理だよ!?ってなる。
今も聴こえてくるのはお隣のベニカさんの声…あ、お向かいのモモネさんの声も…
僕はあまりの気まずさにそっと窓を閉めた。
詰まるところ鬼人は皆絶倫なんだ。
夜、痛む腰を擦りながらすっかり遅くなってしまった夕飯を温めていると、丁度帰ってきたニオアさんが手伝ってくれた。
「午後に無理をさせてしまったからな」
そういってニオアさんは配膳から片付けまで全てやってくれた。
僕がお風呂に入っている間にピカピカになった台所で作ってくれたしぼりたてのジュースを出された。お皿にはフルーツが綺麗な飾り切りで盛られている。林檎みたいなフルーツが蝶になってキラキラ可愛いピックが刺されてる。
ニオアさんは女の子にモテるだろうなぁ…と思いながらシャクシャク食べる。
どうでもいいけどこのピックちょっと重い。
甘酸っぱいジュースと綺麗なフルーツを堪能している間に、ニオアさんもお風呂から上がって…二人してお互いの髪をふいているうちにソファーで絡み合い、フルーツを食べさせあいながら甘く鳴かされ…
気づけばソファーでにゃんにゃんと鳴かされて至るところがどろどろになってた。僕はベッドへと抱き上げて移動させられて…はっとする。
…あれ?
ちょ、ちょっと、いつのまに!?
待って待って、え!?またするの!?
「ニ、ニアオさんんっ!!待って、待ってぇっ!!」
ぺちぺちと厚い胸板を叩いて慌てて止める。
流石に朝、昼、とガッツリむさぼられた体が辛いし突き上げられ過ぎたお腹の奥に筋肉痛みたいな鈍痛が…
「あの、流石にこれ以上は…」
言葉を濁す僕にニオアさんは慌てて身体を起こした。そして僕の着物を整え、気まずそうな顔で何かを誤魔化すようにごほん、と咳をひとつ。
「すまない…」
「いえ、僕も…あ、」
二人の間にはニオアさんのニオアさんが浴衣を押し上げて自己主張していた。
ニオアさんは赤い顔で…と言いたいところだけど皮膚が青くてわからない。
そしてちらりと見えるニアオさんのパンツはホワイトタイガー柄だ。鬼人達のパンツは色の違いこそあれど虎柄が多い。
おにーのぱんつはいーぱんつー、つよいぞー、つよーいぞー
世界最古の温泉CMソングが流れるのは仕方がない。
僕の、今日のパンツも同じ色なのでお揃いで買ったものなのかもしれない。ピチピチビキニパンツ…最初は抵抗あったんだけどもう慣れちゃったなぁ。
じっとみてると硬く立ち上がったままのニオアさんのそれが辛そうで…
「うっ!イリヤ!?」
着物の裾をはらい、僕は布越しにニアオさんのモノに触れた。
僕に触れられたことでビクリビクリと脈打つ熱をそっと撫でる。
下着の端に指をかけるとホワイトタイガー柄の下着を押し上げていたモノがブルンと飛び出した。
「 わぁっ!」
「すまんっ!」
わぁ…すっごいガチガチだぁ…僕は思わずソレを両手でしごいてしまう。だってこれは辛いよね。うん、わかるわかる。
「ま、待てっ!っうぁ!」
青黒く、勃起した大きなそれをきゅっと握るとニオアさんの腰がビクビクと震える。
先端の小さな割れ目からとろりと透明な液が…それを親指の腹に塗り広げる。
側面はガチガチに固いのに先端はぷにんとした奇妙な弾力がある。
うーん、肉球的な感じ?
やっぱり僕のとはちょっと違うかも。
ふにふにと触っているとニオアさんがたまらない!という風情で眉をしかめ声を噛む。
「うっ…くっ…」
いつもカッコいいニオアさんがすごく可愛く見える。
「ふっ!くぅぅっ!!ひっイリヤ!?」
えいやっ!男は度胸だ!!
ぱくり、と先端を咥え全部口の中に…は無理だった。
おかしいな、ニオアさんはいつも僕のを……あ、ちっちゃいのか僕のは…ちっちゃいのか…(遠い目)
仕方がないのでぷはっ!と口から出して僕の唾液で濡れた先端をペロペロとなめる。
じわりと先程より少し口をあけた先端の孔から透明な液がにじむ。
ん、気持ちいいのかな?
くちくちゅと唾液と先走りで濡れた起立を擦りながら、ちらりとニオアさんを見ると…潤んだ瞳で僕の様子をじっとみてる。
僕は目を合わせたまま大きく開いた口で再度咥えるとニオアさんはぎゅっと眉をしかめた。
「うむ?」
あれ?気持ちよくないのかな?
もしかしてこうした方がいいのかな?
先端の穴に舌を捩じ込む。
「んっ!あっくぅ…っ!!」
あ!声、可愛い!!そうだよね、これすごくクルよね。
僕の胸がますますきゅんっとなって…
僕はむずむずしてきた内腿を擦り合わせてしまう。
僕にとって気持ちいいところを舌でねろんと嘗め上げたらびくん!びくん!とニオアさんのモノが痙攣した
あ、出そうって思った僕は先っぽをぱくっと口に咥えた。
「うっぷっ!!」
僕の口の中にどろっと重たい白濁が溢れる。
熱い。ごくっと飲み下す間もびゅっびゅっと次々と噴き出してくる。
凄い。
さっきもこんなにたくさん僕の中に出されたんだ。
そう思ったら僕のお尻がむずむずしてきゅうきゅうと入れてもいないものを締め付けようとして…もの足りなさにより強く中を締め付けると今度はさっき出されたぬるぬるが中でくちゅくちゅと…あっあ…ちょっとだけ気持ちいい…
「ンン!!」
ニオアさんが僕のもぞもぞしてる腰を撫でてきて、僕は咥えたまお尻をふってしまった。
「揺れてるぞ、私のを咥えて感じたのか?」
そう言われてカッと顔が赤くなる。
僕はそれを隠すように咥えたままのモノをちゅうちゅうと吸った。
「こらイリヤ!っくっ!」
出したばかりなのに咥えたままのモノが全然萎えてない。
凄いなぁ…なんて思ってたらまるで仕返しだというかのように僕のひくつく後孔の入り口を指が撫でる。
「くふんっ!んんーー!」
「うちの嫁は上も下も…私のを飲み込むのが上手いな」
ニオアさんの指がじわじわと1本…2本と入り込み、先程僕の中に出されたものを絡めるようにくちゅくちゅとかき混ぜる。
ああっ!気持ちよすぎて駄目だよぅ!欲しくなってしまうからやめて欲しいと目で訴える。
「んっつ!ンゥっ!」
「わかった。ならば出しておこう」
くぱっと指が開かれ、指の間からぷちゅっと音をたてて僕の中で温められた白濁がとろりと内腿をつたって溢れていく。
「ンッ…ンッ…ンー!」
ぬるりとまるで嘗めるように前の方へも…ぞくりとした快感に中をきゅっと締めようとして意地悪な指に阻まれる。
「大丈夫、今日はもういれたりはしない」
ゆったりと白濁を掻き出すように浅い部分を優しく撫でて、わずかにいいところを掠めていく。くちくちと決定打のないその動きが続くのが辛くて、なのに、逃げようとしても口にはニオアさんのものが。
「ぷあっ!指やらっ!も、もうっもうっっ!!」
ようやく口が解放され懇願するとニオアさんは困ったように微笑んで
「ここが、いたむのだろう?」
優しく下腹を撫でられる。
そうだけど、確かにそう言ったけど!!
ゆったりと撫でる手が痛いほどに反り返った僕自身にほんの僅かに触れ、ビリっともどかしい快感が走る。
その瞬間僕の中の何かがガラガラと崩れた。
「いいからっ!も、いいからっぁ!ふっ…ふぇ…ひぃん…入れてよぉぉ…も、やだぁぁぁ」
「イリヤ!!」
色気もなにもなく泣き出した僕をがばりとベッドに押し倒し、ニオアさんはさっきまで咥えられて唾液でぬるぬるになったものをズンっ!と一息につき入れた。
「あーーーっ!!ひあっ!ひぁぁっん!!にあぉひゃんっ!にあおひゃああんんんん!!」
僕はその拍子に耐えに耐えた白濁を自分の顔にまで飛ばした。
「あっあぁ…ぷあっ」
「イリヤっ!」
ぱしゃぱしゃとかかる自分の吐き出した精液に間抜けにも溺れそうになり、慌ててニオアさんがぐっと身体を伸ばし僕の顔をべろりと嘗めて白濁を舌でぬぐってくれた。
まるで親犬のようなその行動がいったばかりで敏感な肌に快感を生んでいく。
「あんっ!はっ…はふっぅっ」
結果、首元や耳の方まで流れた白濁を嘗めとるために取った体勢によって、ぬぐっと今だかつてない深さまでニオアさんが僕の中に入り込むことになり…
「あうぅっ!」
その深すぎる快感から、逃げようと僕は身を捩った。その瞬間、
ぐぽっ!!
と奇妙な音がして僕のお腹の奥の奥までニオアさんが入り込んだ。
「ーーーっ!!っかふっ!!」
「くっ!」
「ーーー!!はっ…はヒッぃっ!?あえ゛っ!?え゛っ?!あひぃっ!あ゛、あ゛ぬ゛いぇっ!ぬいっ!あああ゛ーー!!」
あり得ないこととその衝撃と快感に息すら苦しくて、なのに、出したばかりの僕のものは壊れたように何かをぷしゃぷしゃと吐き出して僕の腹を濡らしていく。
「くうっ…イリヤ落ち着け、今抜くから絞めるな…」
ニオアさんが過ぎる快感にぼろぼろと泣きながらビクビクと痙攣する僕をキスでなだめながらゆっくりと腰をひいてくれる。
けれど、ぐっぽりと咥えこんだそこはニオアさんの熱杭をぎゅうぎゅうと離さないとばかりに吸い付き、僅かの動きでチカチカするほどの快感と内臓を引きずり出されそうな怖さに襲われ、僕は脚をからめて必死にニオアさんを引き留める。
「ひぃっ!らめぇっ!ぬいひゃっ!らめぇっ!!なかっ!なかぁぁっ…!こわえゅっ!こわえひゃう!!」
舌も回らぬ体は全く言うことをきかず、指先は、敷布掻き寄せるのが精一杯で、涙もとどめなく流れていく。なのに中はビクビクとひくつく度にひっきりなしに精液のような白濁したような、透明なようなよくわからないものを自分のお腹に吐き出し続ける。
そんな僕にニオアさんは息をのんだあと、ぎゅっときつく抱きしめてくれた。
「んっ…ぅあ゛…あ、あ…」
わずかに深くなった結合に震えながらも、その腕の温かさにほうっと少しだけ体の強張りがとけた。
なのに…
「くそっ!もうっ…すまん!!」
ずるるっ!
「あぇ゛っ!?はひっ!?はぇ゛っ!?」
と訳もわからぬまま、ぐっぽりと先程越えた何かのさらにその奥、本当の最奥までニオアさんが入り、そして、そこでどぷどぷと熱い飛沫を吐き出した。
激しく突き上げられていないのにビュクビュクと内壁に叩きつけられる飛沫の熱さと熱杭の痙攣は眩いほどで
「あーーーっ!!あひっひぃいんん!あ゛ーー!!」
大きく叫んだ僕は…
その後の記憶がない。
「ンンッ…」
「イリヤ…」
気づけばお風呂でニアオさんがうっとりと僕の後からごぷごぷと止まることなく流れ続ける白濁を掻き出していた。
ええぇ…
ぐったりとニアオさんの肩に頭を預けぼくは先程の快感を思いだしぶるりと震えた。
開いてはいけない扉を開いた気がする。
気持ち良すぎるのは怖い。
これでもかと乱れまくった。
もしかして声が外に響いているかと思ったら…もう穴があったら入りたい。
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