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 たくさんのトラックや重機に赤ん坊は喜んだ。車か電車か恐竜に心を奪われる年齢である。庭にレジャーシートとおやつを広げ、母親とよちよち歩きの健斗は毎日のようにピクニックをしていた。お屋敷建っていくのを庭から眺めるためだ。  随分と長い工事が終わって、今度は引っ越しのトラックがやってくる。朝からたくさんの人が出入りする様子に健斗はわくわくした。一日がかりだった引っ越しも夕方には無事終わったらしい。引っ越し屋のユニフォームを着た人以外にもたくさんの若い男の子が出入りしていたのを、大家族の引っ越しだと楽しみにしてた母親はのん気過ぎると思う。そしてその夜、隣のお屋敷一家は我が家へと挨拶へやってきた。  王子様の住む宮殿を想像していた母親の夢は残念ながら壊れてしまったが、挨拶にやってきた英一家は、一家そろって芸能人かと思う程きれいな顔をしていた。

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