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気付くのが遅くなったのは、大きな目がきれいで見惚れていたせいだ。テレビから飛び出してきたようなきれいな女の人がにこりと笑った。健斗が見とれていたのは江彦の瞳だった。
江彦は健斗より少しだけ背が大きく、うんと頭の良さそうな男の子だった。健斗とは違う、少しだけ茶色い髪と大きな目は健斗の心をぎゅっと掴む。
「……あ、えっ……、っと」
初めての気持ちに健斗はどうしたらいいかわからず俯いてしまう。恥ずかしくてドキドキして言葉がうまく出ない息子を見かねた母親が助け船を出した。
恥ずかしくて俯いたものの、そのかわいい顔をもっと見たくて健斗はちらちらと視線を上げる。その度に大きな目とぱちりと視線がぶつかって更に顔を赤くした。
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