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ランドセル売り場にはいろんな色とデザインのものがあふれてキラキラしていた。
「ひこのかあさんに、ひこのランドセルなにいろかきいて」
「同じにするの?」
本当は英家と相沢家、一緒に買いに行く予定だったが仕事の都合でどうしても予定が合わずバラバラでデパートに来ていた。先に買った江彦のランドセルは受注生産品でまだ江彦の家にはない。
それどころか買ったという報告だけで健斗は色が何色なのかも聞いていない。母親に慌てて聞くように強請って返事を待つ間にぐるぐるといろんなランドセルを見て回った。
「うん。ひこはセンス? がいいっておんなのこたちがいってた」
「あら。じゃあ健斗も江彦くんみたいに女の子にモテちゃうかもしれないわね」
「もてなくていいの! ひこみたいにかっこよくなりたいだけ」
後日それを聞いた江彦は健斗のためにかっこよくいようと決めた。同じ色のランドセルを背負って手を繋いで笑う二人の写真は両家族のリビングに飾られている。
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