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健斗は恥ずかしくて思わず俯いてしまった。健斗が江彦を好きなことがバレてしまったのかと焦ったのだった。そのリアクションを見て眉間に皺を寄せる江彦。
「僕は健斗が好きだけど、健斗は違ったのか?」
「違わないけど、恥ずかしい。俺の好きは……江彦の好きと、多分違うから」
「違わない、同じだ。お前が俺のことを好きになるよりずっと前から、俺は健斗が好きだよ」
江彦の告白に驚いて顔を上げると、今まで見た中で一番優しい顔をして江彦は笑っていた。
嬉しくてでも恥ずかしくて繋いだ手を解くと、江彦が一瞬悲しそうな顔をしたけれどすぐに笑顔に変わる。健斗が勢いよく江彦に抱きついたからだった。
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