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 大慌てで橘が駆け付け、健斗の手を水道へと引っ張った。冷たい水が気持ちがいいけど、水から離れると途端にひりひりと痛んだ。もう少しで完成だったのにと落ち込みかけるものの、周りの部員も完成させた人から順に集まって汚れた床や落ちたカップを片づけてくれる姿を見て健斗は落ち込んでる場合じゃないと唇をきゅっと引き締めた。 「ほら、これでしっかり冷やして。健斗の分は私が作っておくから」 「でも……っ」  橘から袋に入った氷を受け取る。痛みはさっきよりもずっとマシだと訴える健斗を橘は甘やかす。それと同時にどたどたと大きな足音が調理室へと近づいてきた。

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