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第28話 告白 1

最近、なんだか青が優しい。 ねーちゃんが来てから、明らかにオレへの態度が変わった。やたらと体調気にするし、やたらとハンバーグ奢ってくれるし、なんか変だ。 なんだ・・・あいつ・・・オレの体、散々弄り回しといて、さんっざんイかせまくっといて、あれから全然触ってこねえし・・・ イヤイヤ!別に触って欲しいとかじゃねーから! 友達って、これがふつーだから! しかも、店もセール中で忙しいし、持ち帰りの仕事もあるし! 青がおとなしい方が、平和だし! ・・・青、帰って来てから、部屋に入ったきり出てこねーな。何してんだろ・・・ 「青、なにしてんの?」 青の部屋の前で声をかけてみる。 ・・・・・・ 「あおー、寝てんの?」 ドアをそーっと開けて青の部屋に入ると、机の上のパソコンに向かう青の後ろ姿があった。 なんだよ、起きてんじゃん。 ヘッドフォンしてて聞こえてねーのか。 「青、なんか観てんの?」 近付いてパソコンを覗くと・・・ 「あ、りょ、涼太・・・」 これ・・・エロ動画じゃん。 バッと慌てて前を隠す青。 「あ、ごめん。てかそゆことする時は、ちゃんと鍵かけとけよ!じゃ、おやすみ!」 見てはいけないものを見て、気まずくなって青の部屋を出ようとしたオレの腕を青が掴む。 「涼太、これは・・・その・・・」 「なんで言い訳すんだよ。男ならふつーの事だろ。この前までのおまえがちょっとおかしかっただけで・・・」 「おかしくねえよ!」 「なんだよ。急にでけー声出すなよ、びっくりすんだろ」 「・・・ごめん。でも、俺・・・」 「・・・やっぱなんか、変だな、おまえ。熱でもあるんじゃねぇ?」 青の額に手をあててみる。 「熱はねーな」 「・・・俺、やっぱ無理だわ」 ドサッ 青に掴まれていた手首を引かれて、ベッドに投げつけられる。 「いきなりなにすんだよ、ほんっと乱暴だな!」 「俺が必死で我慢して、あんなもん観てまで紛らわせようとしてんのに、なんで簡単に触んだよ」 「はあ?」 青はオレに馬乗りになって訳わかんない事を言い出す。 「我慢って触るってなんだよ」 「俺は、涼太に触ったり、キスしたり、抱いたりしたいのを我慢してるって言ってんの」 「なっ、なんでそんなこと・・・」 「おまえが好きだから」 「・・・え」 「涼太が好きだから。触りたいしキスしたいし、ぐちゃぐちゃに泣かすまで抱きたい」 え?なに?・・・オレが、好き? 「でも、涼太が好きだから、我慢してる。好きだから大事に、したい。今更だけど・・・」 「ちょっ、と、待て。好きって、友達だからだよな?」 「友達として見てたのなんて、もうずっと前だ。俺の言ってる好き、は、友達としての好きじゃない」 え、え、え、友達じゃない好き? って、あの好き?やべえ、よくわかんねえ・・・ 青にぎゅっと抱きしめられて、余計に頭がショートしそうになる。 「涼太、好きだ。拒否されるのがこわくて、ずっと言えなかった」 「拒否・・・」 「でも、もう無理。涼太の体だけじゃなくて、心も欲しい」 「心・・・」 何が起こってんの、コレ・・・やべえ、頭がまわんねー・・・ 自分の心臓がうるさくて、なにも考えられない。

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