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第29話 告白 2

青がオレの事を、ずっと前から好き・・・? 男なのに? ・・・イヤ、でも、ふつーって、ねーちゃんも言ってたし、オカシイ事じゃないんだよな? 「涼太。好き」 「・・・」 「なんか言えよ・・・」 え?なんて言えば?・・・とりあえず・・・ 「・・・ありがと?」 「・・・はあああ~」 なんて言えばいいのかわからなくて、それしか言葉が出ないオレに、青は盛大に溜息をつく。 「涼太は、俺の事どう思ってんの?」 「え、親友だと・・・」 「友達としては好きって事?」 「うん」 「恋愛にはなんない?」 「・・・うん。たぶん」 なんねーだろ・・・恋愛に。 「涼太、誰かと恋愛したことあんの?」 青に聞かれて、考えてみる。・・・そー言われると、誰かを好きになった記憶が、無い。 「ねえんだろ?」 「うーん」 思い出そうとしても、なんにも出てこない。 そもそも、好きってなんだ? 「誰かの事、想ってドキドキしたり、苦しくなったり、した事、あんの?」 「・・・ない」 ひとつもない!今気付いた。オレ、恋愛したことない! 「うっ」 青が突然キスしてきて、ドキッとする。 「キスされて、ドキドキしねえ?」 「 ドキッとはしたけど、ドキドキは・・・してねえ」 「俺は、涼太にキスしてドキドキしてる」 あ・・・ 重なっている胸から、青の鼓動が速くなっているのが伝わる。 「もう一回、キスしていい?」 「ダメって言ったらしねえのかよ」 「しない。いいって言うまで」 「い、いいって言うわけねーだろ!」 「じゃあ、朝までこのまま離さない」 「はあ?オレ明日も仕事なんですけど!早く寝たいんですけど!」 「・・・わかったよ。でも、俺が涼太のこと、好きでいることは許して」 青の体がオレから離れる。 「許すもなんも・・・もうずっと前から好きなんだろ」 「・・・うん」 「じゃあ、オレもう寝るから。青もちゃんと風呂入って寝ろよ、おやすみ!」 「おやすみ」 自分の部屋に入って、ベッドにドサッと寝転がる。 青の言葉が、耳の奥に残って・・・ 『ずっと言えなかった』 言えなかった・・・?ずっと、ってどれくらい? 『触りたいしキスしたいし、ぐちゃぐちゃに・・・』 イヤイヤ。これは思い出さなくていーだろ。 でも、てことは、青がしてたオレへの嫌がらせは、嫌がらせじゃなくて・・・ 「好きだったから・・・?」 ドクン あ、れ?なんか、急に胸がモヤモヤして・・・ なんだ、これ。なんか、苦しい。 なんで急に・・・? 「・・・ま、いっか、もう寝よ」 オレ、バカだし、考えてもわかんねぇ! 来週まで仕事も忙しいし、こんなこと考えてても仕方ねぇもんな! そして、熟睡するオレだった。

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