30 / 210

第30話 天然ノンケの憂鬱 1

青に好きだと言われた翌日から、青からのラブラブ光線が止まらない。 毎朝、おはようのキスで始まり、いってらっしゃいのキス、おかえりのキス、おやすみのキス・・・キスキスキスキスキス・・・ 正直、げっそり・・・ 好きでいていいって言った以上、なんか、避けるのも変だし・・・ キス以上の事を求められてないだけ、まだマシか。 あー、ベッドから出るのがこわい。今日も朝から、ちゅっちゅっちゅっちゅっされんだろーなー・・・ あれがかわいい女の子だったら最高なんだけどな~。 はあ。そろそろ起きないと、仕事間に合わねえ・・・起きるか。 オレは重い体を起こして、寝室を出た。 「涼太おはよ。朝メシ、簡単だけどあるよ、食べるか?」 「うん」 テーブルにクロワッサンとサラダを並べる青。 「オレンジジュースしかないけど、いい?」 「うん」 「もうすぐハタチになんのに、コーヒーも飲めねえって、ほんと涼太はお子ちゃまだな」 「うるせえ!あんな、にげーの、飲みもんじゃねえ!」 ・・・あれ?なんだ、今日、おはようのキスなし? 待て待て。なんだ、って なんだ!よかったじゃねーか!これがふつーなんだから! ・・・ほんとにしてこねーつもりか? 「涼太」 「な、なに?」 「急がねーと、遅刻すんぞ」 「あ、うん」 なんだよ・・・ 「じゃあ、行ってくるわ」 「おー、気をつけろよー」 え?なんだ、いってらっしゃいのキスもなし? なんだかモヤモヤした気持ちになりつつ、オレは玄関を出た。 イヤだから、なんだ、ってなんだよ!オレ! これでいーんじゃん!さっきまでげっそり、とか思ってたじゃん!ちゅっちゅされなくてほんとよかった~・・・ オレはドアの外で、なんとなく、会社に向かう一歩がなかなか出せずにいた。 ・・・なにやってんだ、オレ。仕事、行かなきゃ。 ガチャ 「涼太、まだ居たんだ」 ちょうど歩きだそうとした時に、青が出てくる。 「もしかして、俺のキス、待ってた?」 「っそんなわけ・・・っ」 そんなわけない、と言い終える前に、青の唇がちゅ、と触れてきた。 「好きだよ、涼太」 ボッと自分の顔が一気に赤くなるのがわかる。 「っ、仕事、行ってくる!」 恥ずかしくて青の顔が見れないまま、回れ右して歩き出す。 もー!なんなんだよ!誰も待ってねーし!しかも外であんな事すんなよな!す、好きとかあんな所で言うなぁ! てか、落ち着けぇぇぇ、オレの心臓ぉぉぉ! 「・・・真っ赤になって、ほんとかわいいな、涼太は」

ともだちにシェアしよう!