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第41話 誕生日は大人になる日 2

え・・・?抱かせてくれない?とは・・・ アルコールと頭痛のせいで、うまく頭が回らない。 「酔っ払ってて、理解できてない?」 のぞむのニヤけた顔が至近距離までせまる。 やべえ。キスされるっ! 思った時にはもう遅く、顎をガッチリ掴まれて抵抗出来ないまま、のぞむの唇を受け入れてしまう。 「涼ちゃんの唇、やわらかい。中はどんなんだろーね」 一度離れたのぞむの唇が再び重なる。 うう。ぜってー中に入れちゃダメだ。 息を止めて、かたく唇を閉じていたが、苦しくなって思わず緩んだ一瞬をつかれて、のぞむの舌が、唇を割って侵入してくる。 顎を掴んでいる手の人差し指を咥内に差し込まれ、口を閉じることができず、指先と舌で咥内を撫で回されてしまう。 嫌だ。なんだこれ・・・青にされるのと全然違う。 嫌だと思っても、執拗に咥内を攻められて、ゾクゾクする感覚が体を襲う。 「はは。涼ちゃん、そんな顔もできるんだ。ますます興奮しちゃうな」 「ちょっと、のぞむ。私がいること、忘れてない?」 「忘れてないよ。でも、勃たせるまでは、俺がやるから」 「もう。早くしてよ」 え?勃つまでのぞむになんかされんの?オレ・・・ コレ、全然女とのセックスじゃねーじゃん・・・ 「ちょ、のぞむちょっと待って」 「なに?」 「あの、なんでオレ、のぞむにこんな事されてんの?」 「んー。俺がしたいから、かな」 「え!?・・・なんでのぞむも青も、そーなっちゃうんだよ。まじわかんねえ・・・」 なんでオレばっかこんな目に(泣) 「涼ちゃんさ、そんなにイケメンなのに、なんで女は寄ってこないんだろうって考えた事ある?」 「?イヤ。深くは考えたことはない、かな。とゆーか、モテないから?」 「ははは。涼ちゃんがモテないわけないじゃん」 まあ、正直、声掛けられたりはするけど・・・逆ナン女とか苦手だし。 「ふつーの女の子はね、自分よりキレイな人を大抵、敬遠しちゃうんだよ」 「・・・」 「でもね、男は違う。手に入れたいって思っちゃうんだ。だから、俺も山田も、涼ちゃんが欲しくなる」 「っあ、」 のぞむの唇が首筋に触れて、思わず声が出てしまう。 強く吸われた後に、のぞむが口の端を片方だけ上げて言う。 「こうやって、自分のものだってマーキングしたくなるんだよ」 あ・・・もしかして、あの日、青以外のキスマークがあったのって・・・のぞむ・・・? 青がのぞむを邪険にしていた理由って、そーゆー事だったのか・・・ 今更、自分の鈍感さに嫌気がさす。 「ひぁっ、」 「涼ちゃん、考え込んでないでちゃんと集中しててよ」 いつのまにかTシャツを捲り上げられ、顕になった乳首をのぞむが弄る。 「あ、ちょ、ほんとやめろ。触んなっ」 「涼ちゃん、乳首までちょーキレイな色。涼ちゃんのからだ、すっげーエロい」 「マジ、触ったら殺す!」 「・・・じゃあ触んない。触んないけど、舐めるのはオッケーだよね?」 のぞむの舌が、先の方をゆっくり啄く。 「あ、あ、やめ・・・」 拘束されて身動きできない状況で、閉じた瞼に浮かんだのは 青の顔だった。

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