42 / 210
第42話 誕生日は大人になる日 3
「う、・・・あ、・・・んんっ」
「アレ?涼ちゃん、俺の事ぶっ殺すんだよね?もうそんな気無くなっちゃった?」
くっそ、手足が自由なら一発でぶっ倒せるのに~!
のぞむに、しつこいくらいに乳首を弄られて、オレは声を我慢するので精一杯だった。
「ほんっと、やらしーな涼ちゃん。ここ、こんなピンとさせちゃって」
やめろ~!言うな、恥ずかしーだろ!
・・・て言いたいけど、口を開いたら、ヘンな声が出てしまう!
こんな、声とかのぞむに聞かれたら、また青が怒る・・・
ってイヤイヤイヤ。今、青はカンケーねえだろ!
とにかく我慢・・・
「もうそろそろ勃ってっかな?」
のぞむの手が、下の方へ移動してくる。
やべぇ。オレ、反応しかけてっし、ちんこ触られたらまずい・・・
「っあ」
のぞむの手が、下に触れたその時
ドンドンドンドン
部屋のドアを叩く音がする。
「もー、いいとこなのにうるさいな、シカトシカト・・・」
ドンドンドンドンドンドン
ドアを叩く音は鳴り止まない。
「マジうるさい。ちょっと見てくるから待っててね、涼ちゃん」
ホッ、助かった。
「なんすか?うるさいんですけど?」
ドアの内側から声をかけるのぞむ。
「・・・すみません。下の階の部屋から水漏れの苦情がありまして、バスルームの確認だけさせてください」
オレの位置からは見えないが、ドアの外からの声に、のぞむがチッっと舌打ちをして、しぶしぶドアを開ける音がする。
「あ」
「見つけた」
ドカッ
のぞむがドアの方から飛ばされてくる。
え?なに?
どーした?
「涼太、無事?」
「あ・・・青、なんで・・・」
拘束されたオレの姿を見て、青の顔色が変わる。
青は、起き上がろうとしているのぞむの胸元を足で押さえつけ、のぞむを冷ややかに見下ろす。
「宮野、涼太に手出すなって言ったよな」
「山田・・・俺、約束はしてないはずだけど?」
「涼太になんかしてえなら、俺の許可を取れ」
「はっ、涼ちゃんはおまえのものじゃないだろ。狂ってんの?」
「ああ、俺は涼太に狂ってっから、てめえに何するかわかんねえな」
青、やめてくれよ、オレに狂ってるとか・・・こわいわ。
「なーんかシラケちゃった」
今まで静観していた、お姉様が拘束具を外しながら、オレの耳元で囁く。
「王子様、カッコイイじゃない。大事にしてあげなよ」
はあ?王子様~?
「のぞむ、もういいでしょ、こんな熱くなってるの、あなたらしくない」
「はあ」
お姉様の言葉に、溜息をつくのぞむ。
「涼太、帰るぞ」
「あ、あー・・・」
「なんだよ」
「あー、なんか、酒入ってるせいか、頭グラグラして立てねえ」
「しょうがねえな、ホラのれよ」
青がオレの前で、背中を向けて屈む。
オレは恥を忍んで青の背中にしがみつく。
うう、またしても屈辱・・・。情けねー・・・。
青に背負われて、外に出ると、自分がいた所がラブホテルだったと知って、ショック・・・。
オレの初ラブホは、こんな経験で終わってしまったのか~・・・
「青、なんでここにいるってわかったんだよ?」
「ああ、GPSだよ」
「GPS・・・?」
「昨日、涼太が寝たあと、スマホに追跡アプリ入れといた」
「は?おまえ、なに勝手に・・・」
「そんなことより、涼太。俺、かなり怒ってんだけど」
「・・・すいません」
「反省してんの?」
「・・・してます」
「そー。じゃあ帰ったら、お仕置きしないとな」
「え?」
「返事」
「・・・ハイ」
まだ夜は終わりそうにない・・・
ともだちにシェアしよう!