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第47話 友の訪問
誕生日の翌日
今日は、仕事が休みで、カズと優也が遊びに来る予定。
ガチャ
「おい、童貞仲間!ついに童貞のままハタチになったかコノヤロー!」
ドアを開けて入って来るなりそれかよ。確かに童貞だけどな。
「ほい、俺と優也からの誕プレ!」
カズから受け取った紙袋を開けてみる。
こ、これは!
「涼太くんご所望のエロ本セットだ」
「カズ~、優也~!おまえら最高かよ!」
カズとがっちりハグをする。
「はぁ。おまえらほんと脳みそ中学生だな」
呆れた顔で自分の寝室から出てくる青。
「うるっせぇ!オレはジジイになっても愛読書はエロ本だ!」
「わかったわかった。悪かったよ。とりあえず離れろ」
ハグするオレとカズを、引き剥がす青。
「あ、そーだ。ゲーム持ってきたから、久々にやろーぜ」
カズがバッグからゲーム機を出してニカッと笑う。
「やる!」
社会人になってからゲームなんてやってねえもんな。なんかテンション上がるぜ!
「ほんとあいつらガキだな・・・」
「はは、楽しそうでいいじゃん」
キッチンで飲み物を出している俺の横で、買ってきたピザの箱を出す優也。
「青、涼太とどうなってんの?」
「あー、・・・って、え!?」
「付き合ってんの?」
優也のどストレートな問いに、冷や汗が背中を伝う。
「あ・・・いや・・・てゆーか、なんでそんな事思うんだよ?」
「青、涼太の事好きなの、バレバレだから」
「・・・マジか・・・」
俺、そんなわかりやすい?
「涼太は気づかないだろーけどね。カズと一緒でアホだからさ」
・・・ですよね。
「優也、気持ちわりーとか思ってるよな」
「んー、最初に気づいた時は、思ったかな。でも、まあ、そーゆーのもアリなのかなって思ったら、今はそーでもないよ」
「なんか、ごめん」
「なんで謝んの?別に悪いことしてるわけじゃないじゃん」
「そうなんだけど」
「イカついオヤジが好きって言ったら、キモイけど、涼太なら、なんかわかる気するし。脳みそはともかく、見た目の話ね」
「・・・優也から見て、涼太って俺のこと、どー思ってるように見える?」
「どーも思ってなさそう」
グサッ
今のは大ダメージだわ・・・。
「男と女だって難しいのに、男同士なら尚更だよ。涼太が青の気持ちを知ったとしても、そう簡単に答えなんか出ないんじゃないかな」
「・・・おまえ、大人だな」
「まあ、カズと涼太よりはね」
「ははは。確かに」
リビングにいる涼太を見ると、カズにゲームで負けてムキになっている。
そんなくだらない光景にさえ、心が動いてしまう。
「俺、涼太が好きだ」
「知ってるよ。今さらじゃん」
「ありがとな、優也」
「謝ったり、お礼言ったり、ヘンなやつ」
優也、ほんとにありがとな。軽蔑しないでいてくれて。普通に接してくれて。
優也が友達でよかったと心から思うのだった。
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