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第60話 So sweet 3

美織さん達と別れ、涼太と二人で歩く。 時々、隣を歩く涼太の手と俺の手が掠って、握ってしまいたくなる気持ちを必死で抑えた。 玄関のドアを開けようと、ドアノブにかけた俺の手を涼太が掴む。 「どした?」 「あ・・・いや。だって帰ったら続き、って言っちゃったから・・・」 「嫌って事?」 ここまで我慢してまた、待て、かよ~。 「嫌、とかじゃなくて。オレ・・・好きなやつとすんの、初めてだし。なんかキンチョーして」 はあ?あんだけやっといて今更? 耳まで真っ赤にした涼太が俯く。俺の手を掴む涼太の手が震えている事に気付いて、堪らなくなる。 俺はドアを開けて、涼太を玄関の壁に押し付け、唇に軽く噛み付く。 「いってぇ、ちょ、青っ」 涼太の下唇が赤みを帯びて、俺がそこに触れた事を主張していた。 もう一度涼太に顔を寄せると、涼太の手が俺の口を覆う。 「ちょっと!待てって!ここで、すんの?」 涼太が戸惑いながら俺を見上げる。 「来い」 涼太の手を引き、自分のベッドまで連れていき、押し倒す。 加藤につけられた目元の傷が目に入って、俺は無性に腹が立った。 「なに俺以外のヤツに傷付けられてんの?」 「は・・・?こんなん傷のうち入んね・・・うあ」 目元の傷に舌を添わせると、涼太がぎゅっと目を瞑る。 「涼太を傷つけていいのは俺だけだ」 深く口付けると、次第に涼太の体が熱を帯びていくのがわかる。 「はぁ、あ、は、あ、あ」 快感に弱い涼太は、キスだけで涙を溜める。 「涼太、目開けて。こっち見ろ」 涼太は薄く瞼を開いて、またすぐ閉じる。 「無理。見れねぇ」 「おまえ、誰と何しようとしてるかわかってんのかよ」 「わかってるし!」 「じゃあ、言ってみて」 「・・・あ、青と」 「俺と?」 「せ・・・」 「せ?」 「改めて言わなくてもわかんだろ!」 「言えねえなら、目開けて、誰と何してるか、最後まで見てろ」 涼太と目を合わせたままでゆっくり近付き、唇を重ねる。 何度も目を逸らしてしまいそうになるのを堪えて、涼太は瞳を揺らす。 涼太の首筋に舌を滑らせて耳たぶを甘噛みすると、涼太のからだが小刻みに震え、短い喘ぎが零れる。 少し前まで、自分勝手に涼太を抱いていたのが不思議なくらい、呼吸が重なって視線が絡まる。 涼太のからだが、俺を拒むことなく受け入れてくれることに、涙が出そうになった。 俺の名前を呼ぶ声が、甘く耳に響いて、俺は涼太のからだに溺れていった。 「青」 「なに?」 「今日はちゃんと意識あるよ、オレ」 「バーカ。ちゃんと俺が手加減したんだよ。終わった後、涼太と一緒にいたいから」 「・・・えらそーに言うんじゃねー」 涼太がモゾモゾと俺の胸に擦り寄ってくる。 あー、やばい。マジで幸せ過ぎる! そして涼太がかわいすぎる! 幸せ過ぎる~~~! 恋人になって初めて涼太と結ばれた事に浮かれていた俺は、まだこの恋が始まったばかりだということを忘れていたのだった。

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