61 / 210

第61話 スクールリベンジ 1

オレは、今、不吉なものを手にしている気がする。 仕事終わりに、あさみさんから青に渡しておいてと言われたこの包み・・・なんか、すげー不穏なオーラを纏ってんな、これ。 「ただいま」 「おかえり、涼太♡」 チュッ すかさず青がおかえりのキスをしてくる。 毎日毎日、飽きねーのかな、こいつ。 「これ、あさみさんから預かったんだけど・・・」 綺麗にラッピングされた包みを青に渡す。 「・・・これは、まさか・・・」 青が包みを開けると、中から一枚のDVDが出てくる。 「なんのDVD?」 「あ・・・えーと、多分だけど、温泉の時のやつじゃねーかな」 温泉? ・・・は!あれか!浴衣で絡んでるやつか! 不穏なオーラはこれだったか! 「青、それよこせ。バッキバキにしてやっから」 「なんでだよ。俺にって言ってたんだろ?勝手にバキバキにすんな」 そう言って寝室に入っていく青。 はあ~?いらねーだろ、そんなふざけたもん。 ほんっと気持ちわりーことすんなよな、あのドス黒! 風呂から上がると、青はリビングに戻ってきていて、ソファでうたた寝していた。 青の寝顔とか、そーいえばまじまじ見たことねーな。 オレと違って、あんま白くねーな。鼻も高いし、よく見るとかなりカッコイイ、よな。 あ、なんか、キスしてーかも・・・ いつも青からキスしてくるけど、オレからってあんまないよな・・・練習、してみよっかな・・・ 青に顔を近付けてみる。・・・起きなさそう、だよな? 目を閉じて、唇を近付ける。 うう、やっぱ恥ずかしいな。やめとこ。 「なんでしねーんだよ」 は? 閉じていた目を開けると、青と至近距離でバチッと目が合う。 こいつ、お、お、起きて・・・? やばいやばいやばい。どーしよ、恥ずかしすぎんじゃん! 「なに?カッコイイな~とか思って見てた?」 「は、はあ?ちょちょちょーしこいてんじゃねーよ!青のくせに!」 ああ~、なんでわかっちゃうんだよ~! 「で、キスしたいな~、とか思っちゃったんだ?」 「だだだだ誰がっ!」 「素直じゃねぇな~、涼太のからだはいつも素直なのにな」 やめろ~(泣) 恥ずかしすぎる! ジリジリと青が迫ってきて、ソファと青で囲まれ、逃げ道が無くなってしまう。 「あのさ、お、オレ明日も仕事だから・・・」 始めちゃったら、気持ちくてまたヘンになって、明日仕事どころじゃなくなる!でも・・・ 「なに?襲われんの期待してんの?」 ボッっと自分の顔が恥ずかしさで一気に赤くなるのがわかる。 「ほんと、涼太はエロいな~。そうやってすぐ俺の事誘ってくるんだもんな」 「さ、誘ってねぇ!」 「キス、して欲しい?」 「欲しくない!」 イヤ、ほんとはしたいけど。なんで素直に言えねーんだ、オレ~! 「そっか。じゃあ、そのかわいくない口に直接聞いてみるか」 青の顔が近づいてきて、反射的にぎゅっと目を閉じる。 ・・・ あれ?来ない。 「そーいえば、あさみさんから次のミッション出てんだけど」 え!?それ、このタイミングでする話? 「制服で絡んだ写真がほしーんだって」 「は?制服って・・・高校の?」 「そうみたい。だから、実家に取りに行っとけよ?」 あのババァ、次から次へと要求してくんなよ~! 「涼太、返事は?」 「するわけねえだろ!アホくせえ!」 「返事しなきゃ、このままの体勢で朝までキスお預けだぞ?」 え?こんな近付いたまま、朝まで・・・? 無理・・・心臓持たねえ・・・ 「っ、わかったよ!やればいーんだろ!」 「よくできました」 青の唇がようやく触れてきて、胸がゾクッとする。 「明日も仕事なんだろ?今日はここまでな」 え?キスだけ? 「・・・涼太、足りないって顔してるけど。なに?ぐちゃぐちゃにして欲しい?」 「な、んなわけーねーだろ!変態万年発情期ヤロー!!」 青を押しのけて、寝室に逃げ込む。 「はあ」 ・・・発情期はオレじゃん。どーしよ、こんな体になっちゃって。 「・・・寝よ」 そして熟睡する俺だった。

ともだちにシェアしよう!