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第61話 スクールリベンジ 1
オレは、今、不吉なものを手にしている気がする。
仕事終わりに、あさみさんから青に渡しておいてと言われたこの包み・・・なんか、すげー不穏なオーラを纏ってんな、これ。
「ただいま」
「おかえり、涼太♡」
チュッ
すかさず青がおかえりのキスをしてくる。
毎日毎日、飽きねーのかな、こいつ。
「これ、あさみさんから預かったんだけど・・・」
綺麗にラッピングされた包みを青に渡す。
「・・・これは、まさか・・・」
青が包みを開けると、中から一枚のDVDが出てくる。
「なんのDVD?」
「あ・・・えーと、多分だけど、温泉の時のやつじゃねーかな」
温泉?
・・・は!あれか!浴衣で絡んでるやつか!
不穏なオーラはこれだったか!
「青、それよこせ。バッキバキにしてやっから」
「なんでだよ。俺にって言ってたんだろ?勝手にバキバキにすんな」
そう言って寝室に入っていく青。
はあ~?いらねーだろ、そんなふざけたもん。
ほんっと気持ちわりーことすんなよな、あのドス黒!
風呂から上がると、青はリビングに戻ってきていて、ソファでうたた寝していた。
青の寝顔とか、そーいえばまじまじ見たことねーな。
オレと違って、あんま白くねーな。鼻も高いし、よく見るとかなりカッコイイ、よな。
あ、なんか、キスしてーかも・・・
いつも青からキスしてくるけど、オレからってあんまないよな・・・練習、してみよっかな・・・
青に顔を近付けてみる。・・・起きなさそう、だよな?
目を閉じて、唇を近付ける。
うう、やっぱ恥ずかしいな。やめとこ。
「なんでしねーんだよ」
は?
閉じていた目を開けると、青と至近距離でバチッと目が合う。
こいつ、お、お、起きて・・・?
やばいやばいやばい。どーしよ、恥ずかしすぎんじゃん!
「なに?カッコイイな~とか思って見てた?」
「は、はあ?ちょちょちょーしこいてんじゃねーよ!青のくせに!」
ああ~、なんでわかっちゃうんだよ~!
「で、キスしたいな~、とか思っちゃったんだ?」
「だだだだ誰がっ!」
「素直じゃねぇな~、涼太のからだはいつも素直なのにな」
やめろ~(泣)
恥ずかしすぎる!
ジリジリと青が迫ってきて、ソファと青で囲まれ、逃げ道が無くなってしまう。
「あのさ、お、オレ明日も仕事だから・・・」
始めちゃったら、気持ちくてまたヘンになって、明日仕事どころじゃなくなる!でも・・・
「なに?襲われんの期待してんの?」
ボッっと自分の顔が恥ずかしさで一気に赤くなるのがわかる。
「ほんと、涼太はエロいな~。そうやってすぐ俺の事誘ってくるんだもんな」
「さ、誘ってねぇ!」
「キス、して欲しい?」
「欲しくない!」
イヤ、ほんとはしたいけど。なんで素直に言えねーんだ、オレ~!
「そっか。じゃあ、そのかわいくない口に直接聞いてみるか」
青の顔が近づいてきて、反射的にぎゅっと目を閉じる。
・・・
あれ?来ない。
「そーいえば、あさみさんから次のミッション出てんだけど」
え!?それ、このタイミングでする話?
「制服で絡んだ写真がほしーんだって」
「は?制服って・・・高校の?」
「そうみたい。だから、実家に取りに行っとけよ?」
あのババァ、次から次へと要求してくんなよ~!
「涼太、返事は?」
「するわけねえだろ!アホくせえ!」
「返事しなきゃ、このままの体勢で朝までキスお預けだぞ?」
え?こんな近付いたまま、朝まで・・・?
無理・・・心臓持たねえ・・・
「っ、わかったよ!やればいーんだろ!」
「よくできました」
青の唇がようやく触れてきて、胸がゾクッとする。
「明日も仕事なんだろ?今日はここまでな」
え?キスだけ?
「・・・涼太、足りないって顔してるけど。なに?ぐちゃぐちゃにして欲しい?」
「な、んなわけーねーだろ!変態万年発情期ヤロー!!」
青を押しのけて、寝室に逃げ込む。
「はあ」
・・・発情期はオレじゃん。どーしよ、こんな体になっちゃって。
「・・・寝よ」
そして熟睡する俺だった。
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