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第76話 フェロモンとは 2
「で、未読だった理由はなんだ?」
俺は帰ってきた涼太を部屋の隅に追い込み、逃げ場を奪って問い詰める。
返答次第では、涼太にどんな酷いことでもしてやるからな。
「あ・・・なんもなかったよ。疲れてすぐ寝ちゃっただけだし・・・」
涼太は目をぱちぱちさせながら、瞳を左右に動かす。
こいつ、絶対嘘ついてるわ。
「ちゃんと全部言わねえと、ケツ裂けることになるけどいいんだな?」
「さけ!?・・・のぞむん時みたいな事、無かったのはほんとだし!」
「へえ。宮野にはされてない事されたってので間違いなさそーだな」
「う・・・。されたうちに入んのかわかんねえけど」
「けど?」
「え・・・と、ホテル、同室だった」
は?同室?
「ベッドは別だろ?」
「別だったんだけど・・・朝起きたら一緒のベッドで寝てて」
ブチ
「それでなんもなかったワケ?おまえを好きだって言った奴が一緒のベッドにいたんだろ?」
「なんもない。ただくっついてきてただけ」
ブチブチ
くっつかれてんじゃん!なんもなくねえだろ!
「涼太、エッチなことされるだけが、俺が許さねえ事だと思ってんの?」
黙り込む涼太。
「脱いで」
「は?」
「ここで服脱げっつってんの」
「なん、で?」
「ほんとになんもされてねーか、俺が確かめる」
涼太は、はあ、と溜息をついて、羽織っていたカーディガンを脱ぐ。Tシャツの裾に手をかけて、俺をチラッと見たあと俯いて、Tシャツを捲りあげた。
こいつ、服脱ぐだけでなんでこんなエロいんだよ。わざとやってんのか、天然なのか・・・
天然だったら、タチ悪すぎだろ。
「ハイ。脱いだ」
「ふざけてんのかてめー。下も脱げよ」
「下、も?」
俺は涼太の頭の先からつま先までを見て、視線だけで、脱げ、と訴えた。
涼太がベルトを外してパンツのボタンを外しジップを下ろすと、ボクサーパンツ越しに勃っているのがわかった。
「・・・満足かよ」
全て脱いだ涼太が壁の方を向いて恥ずかしそうに悔しそうに言う。
「なんで勃ってんだよ」
俺が涼太の肩を掴んで、体を反転させ壁に背中を押し付けて言うと、涼太の勃ったそれがヒクッと反応する。
「あ、青がやらしい目で見てっからだろ!」
「俺はなんもしてねぇ」
「でもっ」
「なんもしてねえのに、勃っちゃうんだ。昨日もどーだかわかんねーな、これじゃ」
「違う!ほんとにタケルとはなんもねぇから!」
俺が跪いて顔を見上げると、涼太は今にも泣きそうな顔で体をビクッと強ばらせる。
「なに?舐めてほしい?」
「ちが、昨日シャワーだけだったから、風呂・・・入りたい」
は?この状況で風呂?こんなヒクヒクさせてんのに?
俺は涼太のモノを一気に口に含み、強く吸った。
「ひぁっ、・・・んん!」
涼太の精液をゴクンと飲み込んで、涼太を見る。
肩で大きく息をして、なんとか崩れてしまわないように俺の髪をぎゅっと握っている。
「咥えただけでイクとか、どんだけスケベなの?おまえ」
「・・・風呂、入り、たい」
まだ言うか。
「ちっ、しゃーねえな」
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