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第115話 渋滞中 2
涼太、俺、宮野、タケルの4人で、テーブルを囲んではいるが、誰も話し出す雰囲気じゃない。
・・・気まずい・・・非常に。
「あ、なんか飲む?青、コーヒーだよな?みんなもそれでいい?」
涼太が気まずい空気を読んでか読まずか、キッチンで飲み物を用意し始める。
テーブルに、コーヒーが3つと、涼太がいつも飲んでいる炭酸水が置かれる。
「山田のだけ、ミルク入ってんじゃん」
宮野が俺のカップを見てぼそっと呟く。
「あ、ごめん。青、いつもミルク入りだから。のぞむも入れる?」
涼太、いい嫁ぶり、もっと発揮しろ!
「んーん。なんか、そーゆーのいいなって思っただけ。ラブラブだなーって」
「ですね」
宮野の言葉に、頷くタケル。
「のぞむ、タケルになんか話あったから引き止めたんじゃねーの?」
涼太に言われ、宮野がタケルをじっと見つめる。
オイ、キモイな、宮野。
「なんですか?避けてたことなら、否定しませんよ。俺は、あんたに涼太さんとの時間、邪魔されたくないんで」
俺の前でよく言えるな、タケル・・・。
「青さんから奪おうなんて、思ってません。でも、青さんの次に、涼太さんの近くにいる存在でありたいんです」
加藤姉弟、二人揃って執着心がハンパねえな。
「タケルは大事な後輩だし、仕事でも頼りにしてっし、青より一緒にいる時間長いんだぜ?むしろ、今いちばん近い存在だよ」
な!?なんて!?涼太、なんてことを・・・
「そういう意味じゃないんですよ・・・」
そうそう!そういう意味じゃねんだよ・・・落ち着け、俺。涼太の天然に振り回されてどうする。
「俺、タケルくんが好きだ」
宮野の突然の告白に、俺と涼太は、すかさずタケルの顔を見る。
しらっとコーヒーを飲んで、相手にもしていない様子。
「た、たける、聞いてやったら・・・?」
「涼太さん、聞いてますよ。この人、そういう冗談言って、俺を涼太さんから遠ざけようとしてるだけですから」
「冗談で言えるわけないだろ!俺は本気なの!」
宮野・・・キモイな。本気とか。
「あんた、どー見てもタチって感じじゃないですか。俺とじゃ合いませんよ。だいたい俺は、涼太さんがいいんです」
「合う!合わせる!俺だって、ヤルなら涼ちゃんがいい!でもヤラれるならタケルくんがいい!」
こいつら、涼太涼太って・・・
誰のもんかわかってねぇな・・・
「おまえら、見とけ」
「わっ、青、な・・・っ」
ソファに座っていた涼太を引き摺り下ろし、膝の上に乗せ、斜め下から見上げるようにキスする。
「あおっ、ちょ、ふたり、見て・・・」
「見せてんだ。黙っとけ」
「でもっ」
口付けが深くなるにつれ、涼太の抵抗が弱くなり、紅潮していく顔が、蕩けていく。
「涼太、自分から舌、出して」
涼太は一瞬ためらって、遠慮がちに舌を出す。
俺は、涼太の舌に自分の舌を絡めて、俺達を見る宮野とタケルを横目で見返す。
「この通り、涼太は俺のものって調教済みだから。おまえらのものになることは絶対にねーから、涼太抜きでの話してくんねーかな」
タケルが下を向き、グッと拳を握りしめる。
「もっと先も見てーなら、見せてやってもいいけど?」
俺がそう言うとタケルが立ち上がる。
「のぞむさん、帰りましょう」
「え?・・・あ、うん」
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