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第119話 邪魔者 3
瀬戸のヤツ、安定のウザさだったな・・・、いちいち絡んできて、ほんとガキかっつーの。
だけど、青の名前を出す度に大人しくなったり、顔真っ赤にしたり・・・、なんなんだ?
青はケンカなんかするタイプじゃなかったし、いつ知り合ったんだろ?
「涼太さん、瀬戸さんと知り合いなんですか?」
一緒に帰っていたタケルに聞かれる。
「まあ。高校近かったし、顔知ってるくらいかな」
顔合わす度に絡まれて、逆にボッコボコにしてた事は伏せておこう。オレにとっても瀬戸にとっても黒歴史である事は間違いねぇしな。
「そうなんですか?でも向こうはそれだけじゃなさそうでしたけど・・・」
う、なかなか鋭いな、タケル。
「涼ちゃん、タケルくん、お疲れ様」
駅に着いたところで、のぞむと出会う。
「のぞむ、おつかれ」
「どーも」
あれ、タケル、今日はのぞむの事避けないんだ。よかった。・・・のかな?
「ただいま」
「おかえり、涼太」
帰ってすぐにソファに座るオレを、青がぎゅっと抱きしめて、軽くキスする。
もうコレ、慣れちゃったな・・・。いつまで続けるんだろ。・・・おっさんになってもこんな事すんのかな。ぞ~っ。
「涼太、なんかあった?疲れてる?」
「・・・そうかも」
タケルも鋭いけど、やっぱ青はすげーな。
「あ、そうだ。青、瀬戸って知ってる?瀬戸 要」
「瀬戸?誰?・・・うーん、知らねぇ」
少し考えて青が答える。
え?知らねーの?
「今日からバイトで入ってきたんだけど、向こうはおまえの事、知ってるっぽかったけど」
「瀬戸なんて知り合いいねーし、勘違いなんじゃねぇの?」
「そっか」
青が嘘言ってるようにも思えねーし、瀬戸が一方的に知ってるだけ?
「なあ、誰かの名前出して、赤くなったりキョドったりすんのって、なんだと思う?」
「は?知らねーよ。好き、とかなんじゃねぇ?」
そうか、好き、なのか・・・。
・・・あ?も、も、もしかして、瀬戸、青の事が?え、ええ~~~・・・マジかよ。
「あ、青。もし男から好きだって言われたら、ど、どーする?」
「やめろよ。気持ちわりぃ。男だろうと女だろうと、俺は涼太以外目に入んねえから」
ドキ
急に、そーゆー事言うなよな!恥ずかしくなるだろ!
顔が熱くなるのがわかって、恥ずかしさで青から顔を背ける。
背けた顔を青の手で引き戻されて、顔が接近する。
「だから、涼太、いい?」
あ・・・。いい?とは・・・
青の指が、首筋をつぅっと滑る。
「だめ!!明日も一日通しだから!!」
青から逃げるようにソファから立ち上がり、部屋に入る。
あっぶね~。ムリムリ、オレ達ヤリすぎだから!オレの体、もたねぇ。突っ込まれる方の身にもなれよな!
・・・つーか、瀬戸、あんな感じで青に突っ込まれてーとか?
イヤでも、瀬戸と青なら、突っ込まれる方は青なんじゃ?
うわー、うわー。変な想像しちゃったよ。
オレは、瀬戸の出現で、大いに動揺していたのだった。
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