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第132話 交錯 3

もう、嫌だ・・・。 キレた青に無理矢理抱かれて、何度も突かれてイカされて、体にもう力が入らない。 それでもまだ求めてくる青が、オレは怖かった。 「あ、お・・・も、むり・・・もう、出な・・・い」 「出ねぇなら中でイケばいいだろ」 そんな・・・。本当にもう無理なのに。 「う・・・、ふぇ、もぉ、やだぁ、ぅ、う」 辛くて涙が出てくる。それでも止めてくれない。 「涼太、俺が好き?」 「すき、だから、もぉ・・・やめ・・・」 「俺だけ好き?」 「あお、あぁっ、だけぇっ・・・うう・・・」 「俺しかいらないって、言って」 なんで、こんなこと言わせるんだろう。たとえ言葉に嘘がなくても、こんなこと、無意味に思える。 「青しか、いらな・・・」 「離れないって言って」 「・・・う、ふぅっ、も、やだっ、抜け・・・」 離れないとは言えない。嘘になるから。これだけは絶対に譲れない。 「言え!離れないって」 「ひっ、あ・・・ああ・・・、やぁ・・・」 後ろから思い切り突かれて、思わずイッてしまう。もう出るものは何も無いのに。 もう本当に嫌だ。青がわからない。 オレといることで青がこんな風になっているんだとしたら、もう一緒にいない方がいいとさえ思えてくる。 ようやく青がオレの中に吐き出して開放される。 力無く横たわるオレの体を青が優しく抱きしめてくれる。 さっきまでの激しさが嘘みたいに柔らかく包み込まれて、胸がぎゅっと熱くなる。 「涼太・・・。俺は離れたくない。わがままでもなんでも、涼太のそばにいたい。でも・・・」 青の静かな声が心地よくて、疲れ果てたオレはそのまま眠ってしまった。 その日から青は求めてこなかった。 突然大人しくなった青を不審に思ったけど、オレは上海行きの準備や荷物をまとめることに忙しく、何より体への負担から開放されたことですっかり気を抜いていた。 そして、上海行き三日前。 「涼太、タケル、頑張ってこいよ~!お前らは俺の誇りだ~!」 「小林くん~、小林くん~!ああ~!もう私の願いは聞いてくれないのね~!裏切り者~!」 日本での出勤が最後だったため、店長とあさみさんがスタッフを集めて送別会を開いてくれた。 「本当にお世話になりました。ありがとうございます」 「ほんとよ、お世話したわ、仕事だけじゃ無く、青くんとの・・・」 「あさみさん!もういいです、それは!」 酔っ払うと、BL愛が溢れるあさみさんはすぐこれだから・・・。 「離れて平気なの?」 「まあ、離れてみないとわかんないんで。たぶん大丈夫です」 あれから、青はついてくるなんてわがままを言わなくなったし、大学もバイトもマジメに行ってるみたいだし。 「涼太さん、三日後、成田に昼までには行ってないとダメですよ。俺、迎えに行きましょうか?」 子供扱いすんなよな。 「ねーちゃんが送ってくれるから大丈夫だよ。タケルこそ」 「じゃあ、俺は寄りたいとこあるんで、空港で待ち合わせましょう」 送別会は深夜まで続き、部屋に帰る頃には午前三時をまわっていた。 疲れた・・・。ありがたかったけど、あさみさんと店長がウザすぎたな・・・。 帰ったオレは、寝ている青を起こさないようにシャワーを浴び、ベッドに寝転がった。 酒が入っていたせいもあり、横になってすぐに睡魔に襲われそのまま眠ってしまった。 「う・・・ん」 翌日目を覚ましたオレは、肌寒さに自分の腕を抱えて擦る。 ・・・あれ、オレ、こんな服着てたっけ? ふと自分の体を見ると、大きめのワイシャツ一枚しか着ていない。 ・・・寝る時はTシャツとスウェットパンツって決まってんだけどな、オレ。 起き上がって、部屋を出ようとして、右の足首に違和感を感じた。 「え・・・なに、コレ」 右足首に着いたベルトから伸びたチェーンが、ベッドのパイプと繋がれている。 「は?何?強盗?ちょ、青~!おーい!」 パニックになったオレは青に助けを求めた。 「何?涼太」 ドアを開けて青が部屋に入ってくる。 「よかった。青は無事か・・・。ちょっとこれ見ろよ!強盗でも入ったんじゃねーか?」 青に足首を見せる。 「ああ。強盗じゃねぇよ。こういうの、監禁っつーの」 え?監禁?・・・もしかして、青、がこれを・・・? 「涼太、逃がさねぇからな♡」 満面の笑みを浮かべる青。 ・・・・・・・・・・・・・・・ はあ!?

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