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第133話 escape 1
涼太が戸惑いながら、足首についたベルトを外そうとしている。
南京錠でロックされていて取れないベルトに苛立ちながら、なんとか外せないか部屋を見渡しているが、荷物の無くなった涼太の部屋はベルトをカットできる物すら無い。
「青、ふざけんな。監禁って・・・どうするつもりだよ」
「もちろん、上海になんか行かせないためだよ」
俺を睨みつける涼太を見下ろすと、はあ、と大きくため息を吐いて俺から目を逸らす。
「こんな事して、どうなるんだよ?失望させんな。おまえの事、嫌いになりたくねえ」
「嫌われても、憎まれても、俺は涼太を離さない。俺と一緒にいるって約束するなら、外してやる」
涼太の顎を掴んで瞳を覗くが、涼太は視線を合わせようとしない。
「そんな約束できねーよ」
「しょうがねぇな」
俺は、荷造り用に置いてあったガムテープで涼太の両手首を後ろ手に拘束して、うつ伏せに押さえつけた。
「涼太がいい子にしてたらこんな事しねぇんだけどな」
「や、やだ。それ・・・」
俺が持つローターに気付いた涼太が、逃げようと身動ぎする。
構わずローターを後ろの穴に挿入すると、涼太が体を震わせる。
「嫌・・・だ。抜、抜けよっ」
「最近ヤッてなかったからな。拡がるまでソレ入れてろ」
「ふ・・・うっ・・・っ」
涼太を残し、俺は部屋を出た。
こんなことしたってどうにもならない事くらい、俺にも分かっている。ただの独り善がりだ。
でも、俺と離れてタケルと・・・そう考えるだけで腹の中が焼けるくらい不快な気分になる。
上海に行かせてやりたい。だけど離れたくない。タケルと一緒に行って欲しくない。
俺はどうしたらいいんだろう・・・。
「あ・・・んぅ・・・も、やだ・・・」
機械なんか気持ち悪いはずなのに、なんでこんな反応するんだよ、オレのからだ・・・。
シャツ以外何も身に付けていないオレは、自分の体が快感で反応しているのが恥ずかしくて、ぎゅっと目を閉じる。
早く楽になりたい。青・・・。
オレをこんな風にしている張本人なのに、体が青を求めてしまう。
ガチャ
青がドアを開けた音がして、急に心臓の音が早くなる。
「あお・・・たの、むから、楽にして・・・」
「ふ。涼太、まだ耐えれるだろ?イッてもないじゃん。それとも、もう降参?」
ぐ・・・。もう青に縋ったりなんかするか!こんな機械になんか絶対負けねえ!
とは思ってみるものの、椅子に座った青の視線が・・・。
「すげーやらしい顔してんじゃん。ほんと、虐められて我慢してる涼太、カワイイ」
「やめろ、見・・・てんじゃ、ねえ」
ヤバイ。青に、こんな恥ずかしい姿見られてると思うと、なんか、なんだか・・・
「っ・・・あ・・・あ・・・も」
イきそうになって、体に力が入ったところで、青にローターを引き抜かれた。
「ううっ、・・・あ・・・なんで」
「苦手な機械にイカされたかったんだ?気持ち良くなれればなんだっていいんだな」
また部屋を出て行ってしまう青。
そんな・・・。オレ、こんなイきそうなとこで止められてどうしたら・・・。
このまま、青に監禁されて一生こんなこと繰り返すんだろうか。
オレ達は、もう堕ちる所まで堕ちてしまってる?
青がオレを好きになっていなかったら。オレが青を好きになっていなかったら。違った未来があったのかもしれない。
このまま、進むことも戻ることも許されないんだろうか。
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