144 / 210

第145話 カミングアウト 2

結局、夕飯を食べて行けとうるさい母に引き留められ、実家を出る頃には21時を過ぎていた。 まさか、あんな簡単に親父が許してくれるとは・・・。その後もなんだか和気あいあいとしちゃってるし。 「涼太、なんだったんだよ、あのブリッコは・・・親父、完全に落ちちゃってたじゃねーかよ」 「ああ。アレ。上海じゃ言葉殆ど通じねーから、あーやってごまかすとたいていの事は乗り切れたんだよ、何故か。まさか、おっちゃんにも通用するとは思わなかったけどな」 帰りの車中、助手席から窓の外をぼーっと眺めながら涼太が答える。 そういう事か・・・。 あんなもんが涼太のオプション装備になったら、またろくでもない奴らが寄ってくるじゃねーか・・・。 「でもこれで、青の家族の前では堂々といれんじゃん。一緒に」 「そうだな・・・。あとは、涼太の両親か・・・」 「オレんちは、もうちょい待って・・・つーか!実家に行くとか先に言っとけよな!どんだけドSなんだよ!しかもあんな話し出すし・・・」 「あそこで否定しなかったってことは、もう俺から逃げれねぇな、涼太」 「・・・言ってろ」 とか言っちゃって、すぐ顔赤くすんだから・・・ ああ~。ヤバい。親父にやってた涼太の上目遣い思い出したらなんか・・・。 マンションの地下駐車場に車を停めて、シートベルトを外そうとする涼太の腰に手を回す。 「なに?どした?」 戸惑う涼太を無視して、助手席のシートを倒す。 「わわっ。いきなりなんだよ」 「いくら上手くいったからって、親父にまで色目使うのは感心しねぇな」 「は?色目・・・?」 「親父に対してまで嫉妬させんなよ」 「だって、あれは、なんとか許してもらおーと思って・・・」 「うるせぇ」 涼太の上に覆いかぶさって唇を塞ぐ。 苦しそうに踠く涼太。 「っ・・・はぁっ、待て青。ここ駐車場!車ん中!」 「だから?誰も来ねぇよ」 「じゃなくて!イヤ、それもあるけど。狭いし!」 涼太が俺を押し返そうとするが、一人掛けの座席に男二人が重なっているため思うように動けず、抵抗の意味は無いに等しい。涼太の下半身を持ち上げ履いているものを剥ぎ取る。 「何にでも嫉妬させるお前が悪いんだろ」 「はあ!?なっ、うっ!」 人差し指と中指を涼太の口にねじ込み、咥内を掻き回す。 「ちゃんと俺の指濡らせよ。じゃねえと、痛い思いすんの涼太だからな」 俺の指を差し込まれたまま掻き回され口を閉じることができず、涼太の唾液が口の端から零れた。 「マジでやらしい顔。やっぱ上目遣いよりこっちの方がいいな」 唾液で濡れた指を、後ろに差し込み抜き差しを繰り返す。 弱い抵抗をしていた手は、いつの間にか俺の肩を服越しにぎゅっと掴んでいた。 「ふ、うっ、んん・・・」 「文句言うわりにはしっかり感じてんだな」 「あ・・・、そゆこと、いちいちっ、言うなっ」 指を増やして中を解し、十分に柔らかくなった所に侵入する。 「あ・・・、や、あ、ふ、深っ、から・・・あっ」 狭い場所のせいか、いつもより深く繋がり、自分の先端が涼太の奥の方の壁に突き当たるのが分かる。 「涼太の行き止まり、ここ。わかる?」 「ぁんんっ、わか、わかるっ、から!も、そこ、嫌、だ」 涼太の後ろに、きゅううっと圧迫されて、俺は達してしまいそうになる。 「っ・・・。奥に出していい?」 「やだっ、後が、キツイっ、から」 「涼太、いいって言って。涼太の深いとこまで俺のでいっぱいにしたい」 前立腺を擦りながら、奥まで突く。それを繰り返すと、すぐに涼太がイってしまう。 「あ、オレっ、イって・・・っから、動・・・く、な・・・・・・あ、ああっ」 前から吐き出して、時間をあけずに涼太の中が激しく脈打つ。 「っ、涼太、締めすぎ。そんなんじゃ俺もたない」

ともだちにシェアしよう!