173 / 210

第174話 ひとつ屋根の下で 3

自分とは違う青の精悍な体つきに、恥ずかしさを堪えながら何とか上半身を洗う。 どどどどうしよう・・・。次、下半身だよな・・・。 手を伸ばすのに躊躇してしまう。 「・・・とりあえず足、先に洗って?」 「お、おう」 ほっ。 とは思ってみるものの、膝まづいて太腿を洗っていると、嫌でも目の前に青の反り立つ存在が・・・。 改めて見ると、・・・デカい。筋とか、なんかやらしー・・・。 これがいつもオレの中に・・・奥まで・・・。 イヤイヤイヤイヤ!考えない!今は! 変な気持ちになるのをぐっと抑え、残す所はケツとチンコだけ。 「先、後ろ洗ってもらおっかな」 おもむろにオレに背を向けて、バスタブの縁に手をつき、尻を突き出してくる青。 「げ!やめろよ、その体勢!きもい!」 「なんで?いつも涼太、こんなもんじゃないくらいケツぐいぐい突き出してくるけど?」 「ぐい!?やめろよ!そゆこと言うの!」 まじか・・・。オレ、なんつー痴態を・・・。恥ずかしいなんてもんじゃねーな。もう死にたいレベルじゃん、これ。 「早く洗え」 「あ、洗えばいいんだろ!くっそ・・・」 「ちょ、痛い痛い!暴力反対!」 力任せにゴシゴシ洗うと、青が顔を顰めて痛がる。 「もういいって!・・・じゃあ次、前な」 青が振り返って、今度は腰を前に突き出してくる。 「う・・・」 なんか、そんな雰囲気じゃない時に触るの、勇気がいるな。 「ほら」 両膝を床について動けないでいるオレの頬に、青は立ち上がったままのそれを、ぺち、とあててくる。 「なんなら、口でキレイにしてくれてもいいけど?」 「は、はあ!?」 「俺に触りたいんだろ?それともココは触りたくねーの?」 頬を青のもので、何度もペちペちと軽く叩かれる。 くっそ・・・、すぐにこんな気持ちになりたくないのに・・・。 青に触りたいって気持ちは嘘じゃない。 でもそれ以上に、青に触られたい。いろんな所に触って、気持ちよくして欲しい。 だけど・・・ 「今日は、オレが気持ちよくしてやる」 「え・・・」 やっぱり青にも気持ちよくなって欲しい。 オレが、青の事をちゃんと好きだってわかって欲しい。 青の先端に舌を押し当てる。ゆっくり咥えこんで咥内で舌を這わせるけれど、オレの狭い口の中で青がいっぱいになって、思うように舌が動かせない。 「涼太のくち、相変わらずちっせえな」 うるせえ。 言えない代わりに、青を睨みあげた。 「ふ・・・。なにそれ、すっげぇクる」 鋭いような優しいような目付きで青に見下ろされ、思わず目を逸らす。 「ダメ。目逸らすな。俺を見て、やれよ」 青の手がオレの前髪を上げるように掴んで、もう片方の手が頬に添えられる。 乱暴な中にも甘さがあって、青にそんな風にされると、オレは逆らえなくなる。 青の目を見ながら、精一杯、唇と咥内にあるもの全てを使って攻める。自分がこういう事が下手だってわかってるけど、できるだけ気持ちよくなって欲しくて。 激しくするにつれて、口の中に泡が入ってきて苦くて顔が歪んでしまう。 「もういい。涼太」 口からズルッと引き抜かれ、顔にシャワーが掛けられた。 「う~。泡にっげぇ・・・」 「最後の最後で色気ねえな、お前は」 シャワーで自分の体の泡を流し、青は湯船に入る。 「・・・まだ最後じゃねぇし。青イってないし・・・」 「いいよ。別に」 「やだ!やる!青に、き、気持ちよくなっ・・・てほしい、から」 言わせんな!恥ずかしいんだから! 湯船の中に入り、青と向かい合わせで座る。 青の股間に手を伸ばすと、それを制するように手首を掴まれた。 「俺も、涼太の事気持ちよくしたいんだけど」 「お、オレは、今日はいい!」 またグズグズんなって明日の仕事がつらくなる! 「涼太がいらねぇなら、俺もいらない」 「なんでだよ!オレがしてぇっつってんだからおとなしくされてろよ!」 「色気もクソもないくせに、煽んのだけは上手いよな。涼太」 掴まれた手首を引っ張られて、体が青の胸に受け止められる。 「俺が涼太をとろっとろにしてえんだよ。お前こそ大人しくされてろよ。佐々木には見せない顔、俺に見せて?」 ・・・なんでここで、雄大さんが出てくるんだよ。 そんな言い方されると、拒否れなくなる。 毎日一緒にいて、何回からだを重ねて睦言を言い合っても、青の不安が消えないのは何故なんだろう。 オレの体が壊れてしまえば、青のもんだって信じてもらえる? 青に信じてもらいたい。 おまえと同じくらいオレも好きだってこと。 たとえ他の誰に何をされたとしても・・・。

ともだちにシェアしよう!