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第2話
「おいっ、やめろよ!」
優大は思わず声をあげていた。男たちが驚いてこちらを振り返る。その隙をついて、青年は彼らを押しのけて洗面台から飛び降りると、優大の後ろに身を隠した。
「おいっ、邪魔すんな! どけっ」
いきり立った男たちが、ものすごい形相で迫ってくる。優大は顔を引き攣らせた。
咄嗟に助けに入ってしまったが、バイオレンスは苦手なのだ。
男に胸ぐらを掴まれそうになった時、ドアが開いた。別の客たちが来たのだ。男たちはちっと舌打ちすると、優大を絞め殺しそうな目で睨みつけて、トイレから出て行った。
「大丈夫?」
振り返って優大が尋ねると、青年は首を竦めながら、脱がされて床に散らばった服を拾い上げ
「あんた、すげえ震えてた。腕に自信ないなら余計なお節介すんな」
言いながら近づいてきて、下からすくい上げるように顔を覗き込んでくる。
助けてあげたのに随分な言い草だ。
優大がムッとすると、青年は綺麗な顔を皮肉っぽく歪めて笑い、伸び上がって不意打ちにキスをしてきた。唇が離れても、びっくりしすぎて声も出ない優大に、青年はにこっと笑って
「助けてくれたお礼。じゃね」
優大の股間を指でさらっと撫でてから、青年はシャツ1枚の姿のままトイレから出て行った。
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