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第6話

追い立てられるように浴室から出て、優大はバスタオルを手に、すごすごと部屋に戻った。 ベッドにドサッと腰をおろして、ため息をつく。 ……いいのか? 本当に……。 透の口でその気にさせられた自分のソコは、まったく衰える様子もなくそそり立ち、股間で揺れている。ソレをせつなく眺めおろして、優大はもう一度ため息を吐いた。 今更ダメだと言われても、ここは期待に膨らんだままだ。誘ってきたのはあっちなのだ。 でも…………。 透はゲイなのだろうか。 出会った場所が場所だから、多分そうなのだろうとは思う。 自分が同性しか好きにならないと自覚したのは高校生の時だった。自覚はしたものの、周りの友だちは皆、女子の話題で盛り上がっている。そんな中で自分の性的指向を公言出来るはずもなく、ただひたすら誰にもバレないように生きていた。 大学の時、1つ年下の子と付き合った。 優大は初めて出来た恋人の存在に浮かれていた。だが、付き合って半年ほど経ったある日、一人暮らしのアパートの部屋でいつものように抱き寄せてキスをしようとしたら、ものすごい剣幕で拒否された。 気持ち悪い。好奇心で付き合ってみたけど、やっぱり男同士なんておかしい。ずっと前から気色悪くて、でも言い出せなかったのだ、と吐き捨てるように言われた。 すっかり信じきっていた相手に突然手のひらを返され、その時投げつけられた暴言と嫌悪に満ちた表情がトラウマになり、優大はその後、誰とも付き合っていない。 ガチャっとドアが開いて、浴室から透が出てきた。相変わらず前を隠しもせず、堂々とバスタオルで身体を拭き取ってから、それを肩に引っ掛けてこちらに歩いてくる。 優大は、その綺麗な身体に吸い寄せられるように釘付けになる。だが、透がちらっとこちらを見たのに気づいて、視線を慌てて引き剥がし、そっぽを向いた。 「お待たせ」

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