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第7話
透は優大のすぐそばに腰を下ろし、すらりと長い脚を組んだ。
素っ裸でぴったりとくっつかれて、ドキドキする。見てはいけないと思いながら、横目でそっと彼の脚の間を見てしまう。
「なんでそっぽ向いてんの?やんねーの?」
「君っ、」
痰が絡んで、慌てて咳払いする。
「えっと、透……くん?君は、その、ゲイなのか?」
「僕?ううん。ゲイじゃないけど」
予想外の答えが返ってきて、優大は息を呑んで彼を見つめた。
「え、君、ゲイじゃないの?」
「うん。違うけど。でもまあ、そういうことして生きてはいるよ」
「えっと……それ、どういう意味……?」
透はひょいっと首を竦めて
「僕さ。あの店のお得意さんのペットなんだ。他にもいろいろいるから専属ってわけじゃないけどね」
「……ペット……って?」
「この身体、好きにさせて生活費もらってんの。僕ってどうやら、そういう趣味の連中には人気みたいだよ」
まるで他人事のようにすごいセリフを吐いて、くすくす笑っている透に、優大は言葉を失った。
透はこちらの顔を面白そうに見て
「そんな可哀想なものでも見るような顔、しないでよね。あの界隈じゃ、別にそんな珍しいことでもないから」
「……君、ご家族、とか、」
「いない。父さんは僕がガキの頃に浮気相手と家出てったし、母さんも死んだ。天涯孤独の身なの」
優大は思わず俯いて、透から目を逸らした。
「……ごめん、余計なこと、聞いて」
「別に。気楽なもんだよ。あくせく働かなくても、相手の言うこと聞いて数時間我慢してれば、楽していい金もらえるしね。僕には合ってるんだ。それよりさ、」
透は肩をぶつけながら顔を覗き込んできて
「しないの?セックス。僕、ちゃんとほぐしてきたから、もういつでもやれるけど?」
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