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第4話

優大の手を掴んで、薄暗い夜の公園の中へと入って行った。噴水のそばのベンチまで行くと、くるっと振り返り 「で。何を謝りたいって?僕を傷つけたって何?」 イライラしながら畳み掛けると、優大はまた怯んだ顔になり、目を逸らした。 透は手を離して、ドスンっとベンチに腰をおろし 「傷ついてるの、あんたの方だろ?勝手にいなくなったの、こっちなんだからさ」 「……それは……でも……」 「はっきり言えよ!なんで黙っていなくなったんだって。謝りたいんじゃないんだろ?文句言いに来たんだろ?あんた」 優大はおずおずとその場に膝をついた。 透はぎょっとして、目の前にある彼の顔を見つめる。 「な……なに、やってんの」 「ごめんね、透くん。俺は君のこと、傷つけていたんだよね。君はゲイじゃないのに。最初にそう言っていたのに。無理して俺に抱かれていたんだろう?すまなかった。酷いこと、して」 そう言って深々と頭をさげる優大に、透は泣きたくなって顔を歪めた。 違う。そうじゃない。 自分は傷ついたりしていない。 こいつのアパートを飛び出したのは事実だけど、それは傷ついたからじゃなくて。 「違う」 「……え?」 「違う。どうしてあんたが、謝るんだよ。そうじゃ、ないじゃん」 優大が顔をあげる。 透はくしゃっと顔を歪めて 「傷ついたりなんか、してない。あんたのアパートは、僕が今まで生きてきた中で一番、居心地がよかった」 「っ、透くん、」 「あんた、僕が嫌がることは絶対にしなかったし、セックスだって優しかった。生まれて初めて、僕は怯えないで朝までぐっすり眠れた。あの部屋に帰るの、毎日すごく楽しかったんだ」 優大は目を見開き、透の手を掴んできた。 「……あ……じゃあ、だったら、どうして」

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