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第6話
「あっ、ぁぁ……ん」
「は……っ、苦しく無いですか?」
「大丈……っあ、そこ、!やだ」
「ふふ、すごいイイ声。説得力無いですよ」
「やだって……!あっ、んぁっ」
普段より優しく甘やかすような声で聴覚を支配するくせに、腰の動きは止めずむしろ快感を仰ぐ律動に変わる。
「あぁっ、も、だめ……っもっとゆっくり…!」
「はぁ……ん、絢瀬さん、こっち向いて?」
肩を押されて誘導されるまま仰向けに体制を変える。
うわ、うわうわ……この体制、ダイレクトにあそこに当たる……っ
「うん。やっぱりシてる時の絢瀬さん、特別可愛い」
うっせバーカ!
男に可愛いって褒め言葉じゃねぇし、180cmの男可愛いとか目腐ってんじゃねぇの。
って愚痴を込めて背中に回した足でドスドス蹴る。
「っぅ、ぐ」
が、もちろん下は繋がってるわけで俺にも振動が伝わってまた奥を刺激する。
「いたた、もう〜乱暴だなぁ。じゃあ俺下になるから絢瀬さん動いて」
「なっ、むり!お前が動けって」
「んー……疲れちゃったしなぁ。
そうだ!じゃあ可愛くおねだりしてくれたらいくらでも奥突いてあげますけど、どっちにしますか?」
「〜っ、くそ」
正直慣らしていたとはいえ、直接いい所を突いたことは無い。最後まで自分で動ける自信も無い。
けど、恥ずかしいことを口走る勇気はもっと無い。
せめてもの反抗として思いっきり肩を押して上に全体重をかけて跨ってやる。
「っふは、絢瀬さん……それ、煽ってるようにしか見えない……ふふ、」
「うっ、うるせぇ!おら、俺が動いてやってんだ……黙って喘いでろよ馬鹿」
「はいはい……くっ」
まだヘラヘラと笑い続けるこいつにむかっとして思いっきり腰を落とす
「んんっ、ぁ、あぁッ」
「ちょ、絢瀬さん……っぁ」
「っ、はぁ……神田、神田……」
思っていたより刺激が強く内側をゴリゴリと抉られるような快感に目の前がチカチカと光った。
へたっと目の前に広がる薄い胸板に倒れ込む。
「ふ、イッちゃいましたね。でも俺、まだイってないからもう少し頑張って」
ほら手伝ってあげるからって言うくせにこいつは乳首しか弄ってくれない。
「くっ、ぁ、神田ぁ……動いて……おねが、!」
「……あー、もう。可愛いなぁ」
まだ快感に震える腰を掴まれてズンっと下から突き上げられる。
さっきの倍の刺激に下半身からせり上がる快感の波に溺れてしまいそうだ。
「っは、きもちー……絢瀬さん、キスしましょ」
「ん、ぁ……もっと、もっと……!」
「ん。もっと、ね」
何度イっても突き上げられて止まらない。
本当、ずっとこうして繋がったままなんじゃないか……なんて思わず思ってしまうくらいに一晩中交わっていた。
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〜神田 梓季 side〜
「リラックスどころか体中痛てぇ」
あ、声ちょっと枯れてる。
可愛い……じゃない。無理、させてごめんね。
「すみませんでした」
「焦らなくていい、って言ってたくせに」
「すみませんでした」
「……何回イってもやめてくんなかったし」
「それは、絢瀬さんが「もっと、もっと」って……」
「う、うるさい!!んなこと言ってねぇ」
「えぇー理不尽だぁぁ〜」
真っ赤な顔してるくせにそっぽ向いて目を合わせてくれない。
でも、キスしましょって誘ってから絢瀬さんがゆっくりそろそろと振り返るのは時間の問題だ。
(終わり)
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