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最後の日
忘れたくても、忘れられない。
逃げても逃げても、追いかけてくる。
ねえ、いらないならどうして僕を生んだの。
僕はおとうさんに殴られるために生まれてきたの?
この世界に救いなんてない。
きっとこのまま、おとうさんの言いなりになって、殴られて犯されて、死んでいくんだ。
何も考えたくない。
感覚が憎い。
痛みなんて感じたくないのに。
感情が憎い。
期待も絶望もしたくないのに。
自分が憎い。
おとうさんに愛してもらえない。望まれている僕になれない。
おかあさんは僕のせいで死んだのに。
死ねばいいのに。
自分が憎い。
こんな世界で、誰かに愛されて生きたいと願う、自分が憎い。
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