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はじめましての
『そろそろ社会と繋がる機会を設けてもいい頃かもしれないですね。』
アスカ先生にそう勧められて、数日間悩んだ。
りつと暮らし始めてもうすぐ1年。りつと出会って2年。初めの頃と比べると、りつは見違えるほど明るくなった。
よく笑うし、何でも話してくれる。
好きな食べ物も、好きな絵本も、好きなぬいぐるみも、好きな公園もある。
痛みと苦しみから、少しでも救ってあげられているだろうかなんて思ったりもして。
だから、アスカ先生の言葉を信じることにした。
『今のりつくんは、ちゃんと愛されているから大丈夫ですよ。』
夜眠る前に、ゆうじの手を握ってぽつぽつと話をしながら微睡むりつに語りかけた。
「ねえ、りつ。」
ん?とこちらを向く黒い瞳。
「紹介したい人がいるんだけど、会ってみない?」
少し寂しいな、なんて思ってしまう自分もいるけれど、でも俺は君に色んな人に会って色んな世界を見て幸せになってほしいんだ。
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