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五年も待つな_07

「ぁっあっ、まっ、……て、まっ、! ……ッひ、あぁあっっ!」  ばちゅんっ! 容赦なく最奥まで突き入れると、一志さんはビクビク体を震わせてイきながら、僕の昂りをきゅううと搾りとるように締めつけてくる。あー、そんなにされたら、イっちゃう、と堪えようときつく眉根を寄せても快感の波には抗えなかった。ビュクビュク、今日のために溜めていた欲をでき得るかぎり一番奥に吐き出すと、それさえも一志さんにとって快感になるのか「っぅ、う……ッ」と小さく喘いで、快感の涙をこぼして身を捩らせる。  やっばい、なにがって、もう息子が元気。いつだって僕を優しく包み込んでくれる一志さんが、僕の下でぐずくずに喘いで、気持ちよさそうにイって、僕が注いだ欲にさえ快感を拾っちゃうえっちな姿を見たら、元気になるよね。しょうがない、僕は悪くない。 「ちょっ、イっ、たばっ、かぁ、あっ……ひ、ぁ!」 「うん、でも、むり、一志さんがかわいくて、ほっんと、むり……ッ!」  悩ましげに眉尻を下げ、快感から逃れようとヘッドボードのほうへずりずり体を退げる一志さんの腰を強く掴んで、ずちゅんと強く突き入れると、一志さんは声にならない声を上げてシーツを弱々しく握りしめる。  あー、かわいい、なんとか堪えようと唇を噛みしめるのにたまらず漏れちゃう声とか、律動に合わせてゆさゆさ揺れる腰とか、僕のカタチを覚えようとねっとりとうねるナカだとか、ほんっとたまんない。  ずっずっ、小刻みに中をかき混ぜると、ぬちゅぬちゅとやらしい音が響く。たっぷり出したから、すっごい音がする。自分の中からはしたない音がして恥ずかしいのか、一志さんは体中赤く染める。これは、抜かずに五発どころの騒ぎじゃない、かも。 「ねぇ、一志さん、夢みたいだけどっ、ほんとに、夢じゃ、ないよね……ッ」  一志さんにセックスの気持ちよさを教えるなんて豪語したくせに、好きな人を抱くことはこんなにも気持ちいいって僕が教えられている。  今までのセックスがなんだったのかわからないほど、頭が馬鹿になっている。ただ目の前の一志さんだけしか見えなくて、もっともっとほしくなる。一志さんにも僕だけをほしいと言ってほしい。やっぱり、夢なのかな。あまりに幸福な夢だったら、どうしよう。  ゆっくり動きを止めて、一志さんをじっと見る。一志さんはふぅーと荒い吐息を吐くと、僕の額に張り付いた前髪を優しく掻き上げて剥き出しになった額にキスをしてくれた。 「これは夢じゃないぞ、俺は五喜のことが好きだ、いまも、みらいも、お前のぜんぶがほしい、なんどだって、言ってやる……ッぅ、んンっっ」  可愛いことを言うやわらかい唇を塞いで熱い舌を絡めとりながら、ゆっくり深く抽挿を再開する。  夢みたいなことを、夢じゃなく言ってくれる。なんて幸福すぎる現実。とろんと蕩けた一志さんと見つめ合い、シーツを握りしめる一志さんの手に自分のそれをしっかり重ねた。一生離すつもりはないと伝えるように。 「も……っ、む、りぃ……ッしん、じゃ……ぅ、んッ……ぁっあ、あっ……!」  もうイけない。むり。死んじゃう。きもちよくて馬鹿になる。一志さんがうわ言のようにそう喘ぐたび、僕のモノが元気になるってこと、わかっているのだろうか。わかっていないんだろうなぁ。 「一志さんのココ、もう勃たないね、可愛い」 「っひ、ぁあ……っい、つき、が……ッげんき、すぎぃ……っ」  僕の膝の上でゆさゆさと一志さんの腰が揺れるたび、一志さんのモノもゆるやかに上下する。散々一志さんを愛してイきすぎたせいでくったりとしているそこが可愛くて、親指の腹でくにくにと亀頭を撫でながら、小さなお尻をやわやわと揉みしだくと、一志さんの中はキュッと僕の昂りに吸いついてくる。  あー、また、イきそう、これで何回目だっけ、とっくの昔に五回は超えて、さすがに十回は言っていないけど、もう八回目くらいかもしれない。  あまりにも出しすぎて、入り口付近まで抜くと一志さんの中から僕の欲がとろとろこぼれてしまうほどに。一志さんの褐色肌に白濁が散る様は見ているだけでずくんと質量が増してしまいそう、じゃなくて、現に増している。女の子相手には一回したら終わりだったのに、これじゃあ一志さん限定絶倫モンスターだ。 「一志さんが、可愛すぎて、まだまだイけそうだけど、もう、やめてほしい?」 「っも、……っしん、じゃ、……っん、ぁあっ……!」 「じゃあ、今日はこれで終わりにしてあげる、一番奥に出すから、受け止めて、ね!」 「っぁ、あっ、い、つき、……ッひ、くぅ、う……っ!」  ぐっと奥の奥まで突き上げると、一志さんの中がぐねぐねと一層うねる。奥をぐちゃぐちゃに攻めると、一志さんの中は決まって淫らに蠢く。奥を攻められると弱いって可愛すぎるでしょと笑い、ドクドクと熱い欲望が果て、最後の一滴まで搾りとろうと締め付けてくるそこに「はーっ、一志さんのここ、ほんと、えっち」と荒い吐息を漏らすと、ぞくぞく体を震わせる一志さんに弱々しい肩パンをされた。 「……い、五喜が、そうしたんだ、ろ……っひぁ、っな、んでまた、おっきく、……っ」 「え、今のはどう考えても一志さんが悪いよね」  僕が一志さんの中をえっちにしたなんて、最高にそそる。嬉しい。たまらない。  最後の一回にしようと思ったのに、一志さんが可愛すぎてもう一回だけと一志さんの中に僕の欲望をたっぷりと注いだ。

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