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ときめきエプロン_03

「大丈夫、恥ずかしいより気持ちいいが強くなるよ」 「……五喜も、一緒に気持ちよくなるなら」  スカートの裾をぎゅっと掴みながら、ゆっくり視線を上げる。目が合った五喜は白い頬を赤く染め、俺の耳殻にちゅうっと吸いついた。 「……っもう、一志さんがかわいすぎて理性いかれちゃうよ――ちゃんとシンクに掴まっててね」  こくりと控えめに頷いて、軽く深呼吸をする。  大丈夫、恥ずかしいより気持ちいいが勝つ、大丈夫と頭の中で唱えながら、ゆっくり一気に背中を向け、シンクに掴まった。  やっぱり無理だと思う間もなく、尻たぶを左右に割り開かれ、一番恥ずかしい部分を見つめられる。ああ、ぜったいに見られている。五喜の視線を確かに感じて、奥が物欲しげにヒクついてしまう自分に唇を噛み締めると、後ろからふっと五喜の笑い声が聞こえた。 「僕が見てるだけでこんなになっちゃうの? はー……一志さんえっちすぎ」 「ち、がっ……んく、っ……ぁ、んんぅっ」  ローションを尻の谷間にトロリと垂らされると、それだけで体が期待してドキドキと心臓が跳ねる。たっぷり濡らされた五喜の指がつぷ、とかすかな音を立てるだけで、ほとんど抵抗することなく中に入って来た。うそだ、なんで、こんなにあっさりと。  五喜と結ばれてから、毎日のように体を重ねている。平日は一回と言ったのに、ほとんど約束は守られていない。「もう一回だけ」熱っぽい瞳で囁かれると、つい応じてしまう俺も悪いのだけど。そうやって、毎日愛し合っているうちに、五喜の指に、昂りに、ちっとも抵抗を示さない体になってしまったのだ。  きっと、五喜はとっくに気づいているだろう。嬉しそうに「僕の指美味しい?」なんて聞いてくる。ふるふる首を振っても、ずぷずぷ根元まで飲み込んでいるのだから、なんの否定にもならない。 「っぁ、ぅう……んッい、つき……っ、ひぅうっ」  一本、二本と指をゆっくり増やされ、中を押し拡げるように五喜の指がくぱぁっと開く。はずかしい、やだ、きもちいい、どうにかなりそう、羞恥と快感が交互によぎっていると、エプロンの上から昂りをきゅっと握り込まれ、目の前がチカチカし始める。  同時にいじられたら、もうほんとうに、だめだ。気持ちよくて、なんにも考えられなくなる。シンクを必死に掴もうとしても、指先にまるで力が入らない。ほとんど寄りかかっているだけだ。 「っぁあ、あーっ……っつきぃ、もぉ、だ、め……っ」 「どう無理なの? ちゃんと僕に教えて」  だめ、むり、もうほんとにむり、どれだけ頭がぼんやりしようと、五喜から与えられる快感だけは感じ取ってビクビク体を震わせてしまう。三本の指にローションを塗り込まれると、どうしようもなく五喜がほしくなる。もう指じゃ足りない。わかっているのに、口にすることができない。そうしている間にも、五喜は馬鹿になるほど前立腺を擦り上げてくる。くにくにやわらかく擦られるだけでも頭がおかしくなるのに、ゴリッと潰されると、もうほんとにむりだ。馬鹿になってしまおうと、五喜のほうへ振り返った。 「は、ぁ……っいつきの、これ、ほし……ひぅッ、ぁっあ、あ……ッ!」  これ、とボクサーパンツの上からくっきり形がわかるほど主張している五喜の昂りを撫でながら、快感の涙しか浮かばなくなった瞳で見上げる。ぶわっと五喜の顔が赤く染まったかと思うと、ちゅぽんっと中から指を引き抜かれ、息つく暇もなく五喜の昂りが突き立てられた。  うそ、むり、あつい、深い。  指では届かない深さまで、みちみち肉襞を割り開いて入ってくる。むり、もうちょっとゆっくり、ガクガク足が震えてうまく立っていられないと、必死にシンクを掴む。それでも五喜の亀頭がごんっと奥にぶつかると、少しだけ安堵した。五喜のモノがすべて入りきると、俺の呼吸が整うまで待ってくれるからだ。初めての時はお互い興奮していてむりだったし、暴走している時もまったく待ってくれないけれど。 「っう、ぁ……は、っ、……っぁ、あ、ま、って、いつき、まっ……ひ、くぅっ!」  ふぅーっと荒い息を吐いた瞬間、ごんごんと最奥を執拗に突かれる。  五喜とするたびに、奥が気持ちよくなっている。いまもぼろぼろ涙が止まらない。気持ちよすぎて自分が自分でいられなくなりそうでまって、まってと何度も五喜に言っているのに、五喜はちっとも待ってくれない。乱暴にノックするように奥を突かれながら、エプロンの隙間から差し込まれた手に昂りをチュクチュク上下に扱かれる。同時はむりなのに、一番気持ちいい奥を攻められながら、そこを扱くのは反則だ。  気持ちよすぎて、ゆさゆさ腰が自然と揺れる。とぷとぷ、先走りがこぼれてまたエプロンの内側を汚した。 「だめ、まてない、一志さんが、えっちな目で、声で、煽ったんだよ、っもうむり、まてないよ……ッ」 「っあぁ、あ……っひぁ、あっ……っいつき――っぁあんッ!」  うなじに五喜の唇が這い、ちゅうっと吸い付かれた瞬間、ひときわ強く奥を貫かれた衝撃で天国まで連れていかれる。どぷりと本日二度目の欲があふれ、エプロンがぐしょぐしょに濡れて気持ち悪いはずなのに、むしろ気持ちいい。果てのない気持ちよさに思わず五喜の昂りをきゅううと締めつけてしまう。 「っか、ずしさ……んなに、されたら、僕もイッちゃう、んだけど……ッ」 「は、ぅ……いま、ゆるめ、……っっ!」  必死にゆるめようとゆっくり息を吐いているのに、馬鹿みたいに快感の波が引かない頭は逆に五喜のモノに搾り取るよう吸いついていた。 「は、……っ一志さん、かわいすぎ、でしょ、奥に出すから、ぜんぶうけとめてね……ッ!」 「ひぅ、う……いつきっ……っく、っ」  五喜の言葉に馬鹿みたいに頷くと、強く腰を掴まれてビュクビュク熱い欲が最奥に注がれた。  はー、ふー、ゆっくり息を吐く。五喜の欲がどうしようもなく熱くて、きもちいい。頭が、体がどろどろにとろけてなくなりそうだ。  絶頂の余韻に浸るように、五喜はエプロンの上から俺の腹を撫でながらちゅっちゅっとうなじにキスをしてくる。あ、きもちいい。もっと、キスしてほしい。腹に回された五喜の腕に自分の手を添えると、五喜はふっと笑いうなじに甘く歯を立てた。

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