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ときめきエプロン_04
「……ねぇ、一志さん、気持ちよかった?」
五喜は俺の顔を覗き込んでにっこり微笑むと、わかりきったことを聞いてくる。
「……っみ、ればわかるだろ……」
「わかるけど、一志さんの口から聞きたい。僕は一志さんの中最高に気持ちよかった、よすぎてもう元気なんだけど――バックだとキスできないから嫌だな」
ちゅっと耳にキスをされながら甘く囁かれると、ばくばくと鼓動が早くなった。
そういうこと、耳元で囁くのずるすぎる。裸エプロンにはちっともときめかないけれど、五喜の一挙一動にはときめきっぱなしだ。これではどっちが年上だかわからないなと自分に笑い、ちゃんと素直になろうと頬に口付けた。
「……俺もすごく気持ちよかったけど、やっぱり五喜の顔見ながらシたい」
照れくさいけれど心からの本音を微笑みながら呟くと、五喜はみるみる口元を緩ませて「じゃあもう一回シよっか」と俺の中から昂りを抜く。
シようと言っているのに、どうして抜く? と思いながら、どろりと中から欲がこぼれるのを感じて身を震わせていると、ぐいっと腰を掴まれて五喜のほうへと向かされる。ひらりとエプロンがはためいて、はっとした。そうだった、いま俺は新婚でも着ないようなフリフリのエプロンをしていたんだった。そのうえ、二回イッたせいでぐしょぐしょに汚れている。最悪だと眉根を寄せている俺に反して、五喜は上機嫌に口角を上げエプロンの裾を掴むと、捲り上げられた。
ぐっしょり汚れたエプロンの内側から、どろどろに濡れている昂りまで、熱帯びた視線で見つめられる。ああ、だめだ、ほんとうに馬鹿になっている、五喜の視線だけで中がヒクヒクと疼き始めるのを感じて、なんとかごまかそうと太腿を擦り合わせた。その仕草をしている時点で五喜にはバレているのであろう、すりっと太腿を撫で回される。
「はー……男のロマンすぎでしょ」
「っ俺にはちっともわからないロマンだ……っひ、ぅ」
「ここ、僕のことがほしいってキスしてるね、かわいいなぁ」
尻をやわく揉みしだかれながら、ヒクついている中に亀頭をぬちぬちと擦り付けられる。ひたすら甘いだけの刺激に、思わず離すまいとちゅうっと吸いついてしまった。言葉よりも自分の体のほうがどうしようもなく素直で、はしたない。
「僕も、一志さんの奥で、たくさんキス、したいな……ッ!」
「っっんんン――ッは、ぁーっ、つ、き……っ、おれも、いっぱいキス、して、ほし……っん、む」
五喜に腰を掴まれると、両足が床につかなくなるほど抱き上げられる。そのまま移動して、トンっと背中に冷蔵庫が当たった。寄りかかれるものがあるからさっきよりもいいけれど、それでも怖い、落ちると頭によぎった矢先、不安をかき消すように五喜の昂りがずぷずぷと奥へと鎮められていく。恐怖はあっという間に消え去って、残ったのは頭が痺れるような快感だけ。
この体勢、さっきより、深く突き刺さる、きもちよくてだめになる。もうなってるのに、もっとだめになっちゃう。両足を五喜の腰へ回しながら、五喜の頬へ手を滑らせると夢中になってその唇を食む。
五喜がすき、だいすき、きもちいい、もっとほしい、頭の中に巡るのはどこまでも獣みたいだ。すっかり低下した語彙力がいっそ心地いい。五喜の薄い唇になんどもなんども吸いついて、とろとろにとけている瞳で五喜を見つめながら、腰をゆさゆさと上下に動かした。ひらり、そのたびにエプロンがはためくから、五喜は熱孕んだ瞳を細め、ずちゅずちゅ奥を突き上げてくる。
「は、――っ、腰ゆらして、エプロンひらひらさせて、ほんとえっちだなぁ、……っ」
「っは、ぅう……っきもち、いー、からぁ、腰、っゆれちゃ……ッぁあっ」
「僕も、さいっこうに、きもちいいよ……一緒にもっと、きもちよく、なろ……ッ!」
五喜の形をしっかり体に刻むようにきゅううっと締めつけるとずくんと俺の中でまた大きくなる。
いとしい、かわいい、と五喜の唇をぴちゃぴちゃ舐めていると、舌先をあっさり捕らえられ、ちゅうっときつく吸われる。それほんとに弱いからむりと頭の中でいくら叫ぼうと五喜に聞こえるわけもなく、快感の衝撃からどちゅどちゅと深くに入り込もうとする五喜自身に強く吸いついていた。
「ぁああ――っっ……ッぁあ、そこぉ、っふ、かいぃ、……ぁ、あっ、イッちゃ……ひ、ぁあっっっ!」
ばちゅん! 五喜はひときわ腰を突き動かして、いつもなら入らないであろう深さまで亀頭をねじ込んでくる。こわい、ふかい、むり、きもちいい、しんじゃう、チカチカ頭の中で火花が散る。背中を弓なりに反らして五喜の腰に回した足をピンッと伸ばすと、触れられていない自身からピュクピュク欲を吐き出してしまった。
「ぁっ、ああっ、っいつき、おれ、イッてるから、ぁっ……や、らぁ……っ」
「後ろだけでイッちゃったね、かぁわいいなぁ、もう、たまんない……っ」
奥だけでイったなんてうそだ、やだ、はずかしい、体中が熱くなっているのに、五喜は容赦なくずちゅずちゅ奥を執拗に攻めてくる。
もうむり、そんな奥入らない、きもちよすぎてこわい、快感から逃れようにも逃れることができない。全身を揺さぶってくる五喜にしがみつくと、絶頂が近いのか中でどくどく脈打っている。
はやくイってくれ、これ以上きもちよくなりたくないと両足を強く腰に巻きつけ五喜自身を搾り取ると、灼熱のような欲が最奥へと撒かれた衝撃で目の前が真っ白になった。
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