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口づけはひそかに_03

 なめらかな一志さんの頬を撫でてから、やわらかい一志さんの唇を貪る。恥じらうように目を閉じる一志さんが可愛くて、小さく笑みをこぼす。一志さんの背中に腕を回して優しく体を扉に押しつけてから、しゅるりとネクタイを解いた。  キスをしながら一志さんを裸に剥いていくのが好きだ。キスに夢中でぼうっとしていた一志さんが、はっとして裸であることに気がついて恥じらう姿がたまらない。  するり、一志さんの肩を撫でてスーツを脱がしていく。まだ触れていないのに白いシャツの上から主張する可愛い乳首が見えて、ごくりと喉が鳴ってしまう。  夏場でもきっちりスーツを着込んでいるからいいけれど、白いシャツだと一志さんの乳首が目立つ。もし他の男が見たら許せそうにない。僕専用と一志さんの乳首に絆創膏でも貼ろうかな。逆にやらしい目で見られそう。 「……ッん、うぅっ」  シャツの上から美味しそうに熟れた乳首をカリッと爪で引っ掻くと、一志さんは眉根を寄せびくびく体を震わせる。  あー、もう、かぁわいい。乳首引っ掻いただけでその反応はずるい。語彙力五になっちゃう、一志さんの前だと常にそのくらいか。ならいいか、もっと馬鹿になって一志さんをとろとろにしよう。  あっさり自己完結して、シャツのボタンを外していく。すべて外す時間すら惜しい。一志さんの両肩に手を這わせると、ぐっとシャツを下げる。ようやく露わになった乳首を見ているだけで、ずくんと性器が熱を持つ。一志さんの乳首限定だけどねと笑い、人差し指でくるくる優しく撫でてから、くにゅくにゅ強めに押し潰す。 「ッひ、ぅんん……っ!」  ガタガタ。一志さんが快感で仰け反るたび、扉が音を立てる。このマンションはそれほど防音性が高いとは言えない。一志さんの甘い声が廊下に聞こえてしまうかもしれない。それは嫌だなぁ。でも、可愛い声はどうしたって聞いていたい。一志さんの声だけで抜けそうなほどに、僕はこの声が好きだ。  じゃあベッドですればいいのではと頭の中で冷静な僕が言う。ベッドまで待てないし、玄関で一志さんとシてみたかったんだよね。それに誰かに聞かれてしまうかもしれないというスリルもたまにはいい。悪い僕が勝利して、一志さんの乳首にちゅくちゅく吸いつきながらベルトを外してスラックスを足首まで下ろす。 「んンんっ……は、ぁ……っ」  じわり。黒のボクサーパンツに滲んでいる。キスと乳首攻めでこうなってしまう一志さんが可愛くて、下着の上から人差し指でつーとなぞる。もう自分の足で立っていられないのか、一志さんはくったりと扉に凭れかかり、はぁはぁと肩で息をしていた。その姿があまりにも扇情的で痛いほど自身が張り詰めているのがわかる。  だめだ、だめだ広尾五喜。一志さんの中をもっと解してから挿れるべきだろ。頭ではわかっている。わかっているのに、体は言うことを聞かない。ガチャガチャ、自分のベルトを一気に抜くと下着をずり下ろす。  とろんとしていた一志さんも金属音で気がついたのか、「っいつき」蚊の鳴くような声で囁いて僕の腕を弱々しく掴んでくる。ねぇ、それで抵抗してるの? 煽っているとしか思えないよ。  一志さんのボクサーパンツの裾に指を差し入れ、思いきりずらす。秘められたソコが見えるように片足をぐっと持ち上げた。  ヒクヒク。可愛いソコが僕を求めて蠢いていた。スラックスの上からほんの少しぐにぐに押しただけなのに――ぷつん、頭の中で理性が切れる音がした。 「っあー、もう、一志さん、ごめん、ほっんと我慢できそーに、ない……っ」 「っいつき、まっ……あ……ひ、ぁあっ……!」  ヒクついているソコは亀頭をあっという間に吸いついてきた。そのままぐっと腰を強く押し進めると、とろとろ温かい粘膜に包まれる。あー、一志さんの中、気持ちいい、最高、ずっとこの中にいたい。一志さんに包まれている気分になる。  馬鹿みたいなことを考えながら、ことさらゆっくりと押し入る。もちろん、わざとだ。早く楽にしてほしいと快感の涙を滲ませる一志さんを堪能したくて、一志さんの頬にキスをしながら、肉襞を抉じ開けていく。 「っふ、……ッい、つき、っ……ったすけてぇ……っ」  とろとろの一志さんの瞳からぽろぽろ涙がこぼれ落ち、僕に助けを求めてくる。僕が一志さんをぐずぐずにしているのに、僕に助けを求めてくる。あー、もう、たまんない。また頭の中でぷつんと音がした。おかしいな、さっき理性は切れたはずだ。それならこれはなにが切れたのだろう。頭がおかしくなるスイッチとか? 一志さんの前だととっくに切れているな。優しくしてあげられるスイッチだろうか。それが切れたらどうなるか――めちゃくちゃに愛してあげたくなる。 「……っいま助けてあげるから、僕にしっかりしがみついてね」 「っわかっ、た……っぁ、んンんッッ!!」  涙を流して何度も頷く一志さんにちゅっちゅっと唇を啄ばむ。助けるどころか、トドメを刺すように細い腰を掴んで届くかぎりの奥まで貫いた。  瞬間、一志さんの中が淫らに蠢いてひときわ大きく仰け反った。まるで、絶頂した時のように。一志さんの性器からは完全に勃ち上がってさえいるけれど、とろとろと先走りがこぼれているだけ。もしかして、これが俗に言うかは知らないけれど『メスイキ』なのだろうか。いまだに絶頂の最中にいるのか、一志さんの中は僕のモノに絡みついて、黒い瞳はとろとろだ。 「ねぇ、一志さん、出さないでイっちゃったの? そっか一志さん女の子になちゃったんだね」 「っちが、ッ……っぁ、あ、ああ……っいつき、まだ、だめぇ……あんっ!」  ずちゅずちゅ。ぷっくり膨らんでいる前立腺を亀頭で何度も何度も擦り上げる。  あー、一志さんの中、よすぎ、とろける。あったかい。長く保ちそうにないなぁ、一志さんの中が最高すぎてすぐイきそう。奥をゴンゴンノックしたいなぁ、ぼろぼろ泣いてよがる一志さんが見たい。だけど、今の一志さんは射精せずにイってしまったことに戸惑いを覚えているのか、いやいやと快感から逃れようと首を横に振り、僕の背中にしがみついてくる。一志さんを心底愛しているからやめてあげたいのに、やめてあげられない。戸惑っている一志さんの奥を暴いて、もっととろとろにしたい。 「どうして? まだイってるから気持ちいい? 突いてほしくない? 僕は一志さんが孕むまで突きたいなぁ」 「ば、っかぁ……ぁあ、んっ!」  ぱちゅん! 前立腺を潰しながら、一番奥を暴く。一志さんの体はビクビクと震え、中は激しくうねるけれど、一志さんのモノからとぷとぷ漏れているのは先走りだけ。あ、また一志さん女の子みたいにイっているなと顔を見ているとわかる。だって、今の一志さんはすっかり女の子の顔になっている。褐色の頬は桜色に染まり、長いまつげは涙で濡れている一志さんに性器が痛いほどに腫れ上がった。  お尻だけで射精した時も心底可愛かったけれど、これは反則だ。中でイけるようになった一志さんはもう僕なしでいられない気がして、最高に気分がいい。

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