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【04/優斗】僕の母③

「大丈夫?」 「ん……」 ゆっくりと目を覚ます。……蒼生がいた。 「っ!」 1番会いたくないやつの登場に、慌てて上半身を起こす。が、目眩で立ち上がるのは無理そうだった。 目頭をおさえながら疑問を口にする。 「なんであんたが僕の家にいるんだ?」 「……俺の部屋だよ」 蒼生の冷静な声に、はっと顔をあげて周囲を見回す。確かに、我が家のリビングではなかった。 白を基調とした、とてもシンプルで整頓された部屋。モデルルームのように生活感のないこの部屋は、蒼生の潔癖そうな外見にしっくりきた。 「なん……で……」 「図書館に来てくれた」 「図書館……?」 また図書館に? 僕が行った? 家にいたはずなのに……。窓から外を見ると、日が沈みかけていた。 混乱する僕をよそに、蒼生は淡々と話を進める。 「ユウが教えてくれたよ」 「だからユウって呼ぶなと――」 「ユウは君だけど、君じゃなかった」 「え?」 「俺も今日知ったんだ」 よく見れば、僕を見つめる瞳は赤く、とても疲れた表情をしていた。 状況を掴めない僕の耳に、蒼生の話が流れこむ。 「今の今まで半信半疑だった。だけど……」 眉根を寄せた蒼生は、一度言葉を切って目を閉じた。そして、何かを咀嚼し、納得したような様子で、ゆっくりと目を開き、続けた。 「君は、二重人格なんだよ」

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