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【09/和馬】神永先生②
「遅い」
結局、校内で優斗を見つけられなかった。
部屋の前で待っているかもしれないと慌てて帰ってきたが、それも違った。
うどんのスープは出来ている。いつでも食べられる。
っというか、いつもなら食べる時間だ。それでも優斗は来なかった。
「家に帰った……のか?」
連絡がないってことは、来ないってことかもしれない。
でも、学校を無断欠席したという話が引っかかった。
考え事をしながら、キッチンでひっそりと味見をした。旨い。
そして、おやつ感覚でちくわを1本食べた。練り物万歳! っとその時、チャイムが鳴った。
「優斗……」
「ごめん、泊まってもいい?」
疲れた顔の優斗が、ドアの前に立っていた。
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