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王の男たち_04

「あー、白金マジでエッロいな……苦っ!」  渋谷はこれみよがしに俺が吐き出した欲を舐め、眉根を寄せる。ティッシュで拭けばいいのになぜ舐める? そんなもの舐めるなと睨もうと、渋谷はべろりと大きな舌できれいに舐めとってしまった。そのうえ「あー、苦いけど悪くねえな」と笑ってみせる。嫌がらせとしか思えない。 「っはぁ、は、ぁ……っさいあくだ、おまえ、そんなに、おれさまが、きらいなのか……っ」  俺が嫌がることをして楽しいのか――楽しいのだろうな、俺のことが嫌いなのだから。  快感で潤んだ瞳をごしごし拭ってから、渋谷の胸を押し退けようと腕を伸ばす。けれども、その腕ごと渋谷に掴まれて隙間がないほどに抱きしめられていた。 「バッッカじゃねーの」 「……っお、俺様が馬鹿だと?」 「バカだよ、バーカバーカ、嫌いなやつのちんぽ握るやつがどこにいんだよ」 「……体育会系なノリで、そういうのいじりがあるのかと思った」 「はあ? どこの体育会系だよバーカ! マジで世間知らずのお坊ちゃんだなお前」  渋谷の言うとおり、俺は世間知らずのお坊ちゃんだ。思わず眉を下げていると「あー、もう、ぜんぶ言わねーとわかんねーのかよ、お坊ちゃんは!」と渋谷はぐしゃぐしゃ自分の髪を掻き乱した。 「そんなことはない、俺様に見つめられるとすべて見透かされた気分になると評判だぞ」 「そうかよ! それなら俺の目ちゃんと見ろよ!」  ぐいっと頬を掴まれ、渋谷と視線が絡む。  大きく垂れ下がった黒い瞳に滲むのは、秘められた決意。その決意がなにかまでは王といえどわからない。それにしても昔と変わらない瞳だ。やりたいことだけをやり、見たいものだけを見る。強い男の瞳だ。 「決意を秘めた瞳をしているな」 「決意、あー、まあ、そうだな、決意だな」 「それがなにかは俺様にもわからん。だが、実に良い瞳をしている。さすが俺様の青い鳥だ」  ゆるく口角を上げ、ぐしゃぐしゃに乱れている渋谷の髪を撫で梳くとぶわりと渋谷の頬が赤く染まった。しまった、やたらめったら触らないと決めていたのにと手を引っ込めようとすると、渋谷に手を掴まれる。どうしたんだと首を傾げて渋谷を見つめていると、ちゅっと不器用なほど優しく手の甲にキスを落とされた。 「俺、おっぱいでけー子が好きなんだよ。好きつーか、ヤるならおっぱいでかくねーと無理。おっぱいちいせえとかヤっても楽しくねーし。ヤる時も女が動く騎乗位が楽で好きだったんだけど、お前には、白金には、すっげー触りてえ。ぺったんこなのに、そもそも男なのに、頭ん中白金のことでいっぱいなんだよ。あー……どーしてくれんだよマジで、お前をおかずにしねーと勃たねえ体になっちまったとか、王様マジこえーわ」  イッたばかりで頭がふわふわしているからか、渋谷がなにを言っているのかさっぱりわからない。とりあえず最後に品のないことを言われたことだけはよくわかり、じわじわ頬が熱くなる。 「……隙あらば下品なことを言うのはやめたほうがいいと思うぞ」 「食いつくとこそこかよ! 王様らしーわ」  眉根を寄せて渋谷を睨むと、渋谷は声を上げて笑い、俺の唇をちゅっと啄む。どうして千昭も、渋谷も、すぐにキスをしてくるんだ。キス魔なのか。 「お前、キス魔なのか」 「や、ちげーけど。キスとかだりーだろ、白金限定」 「確かに俺様の唇はやわらかくて気持ちいいかもしれないが、キスを安売りするなと言っただろう」 「してねーけど。白金が好きだから、キスしてんだよ」  まるでご馳走を目の前にした獣のように、渋谷は俺の唇に噛みついた。  俺が、好きだから? ハイパーノンケの渋谷が? ああ、民として王が好き――などとは納得できなかった。民としての好きならば、キスは頬や額、手の甲にとどめておくだろう。唇へのキスはどうあがいても愛情。 「……渋谷が」 「おう」 「俺様のことを」 「おう」 「好き、なのか」 「そうだけど。はっきり言わねーと王様にはわかんねーなら何度でも言ってやるよ。俺はお前のことが好きだ。自覚したのはマジでさっきだけど――首筋についてる跡見て、認めざるをえねーって感じ。そういや、おっぱいにもすっげー跡あったな、俺もつけていい?」 「は? だめだ……っおい、やめ……っ」  つけていいと聞いておきながら、渋谷は俺の答えをちっとも聞こうとしない。  渋谷の太い指にあっという間にシャツのボタンを外され、ガバッと胸を丸出しにされる。鎖骨や突起付近、腹部、あらゆるところに千昭はキスをして、跡を残す。母譲りの白い肌だからか、よけいに目立ってしまう。 「あー……この桃色乳首マジ反則。罪としか思えねーわ。最初はこの乳首だけがありよりのありだったのに、今や白金だけが俺のありよりのありになるとはなー、なあ、跡つける前に乳首吸いてーわ。吸っていい?」 「はあ?! ふざけるな、ぁ……っんん!」  だから、どうしてお前は俺の話を聞かないんだ!  跡をつけると言ったはずの渋谷に、ぺったんこな胸を無理やり揉まれ、さんざん突起を舐められ、吸われ、また緩く勃ち上がりかける。調子に乗って、性器に触れようとしてきた渋谷をどうにか蹴り飛ばしてやめさせた。渋谷も、千昭も、油断も隙もないな!

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