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王を愛する男たち_05
「ココが、ミチルのイイところだね。可愛い声、もっと聞かせて」
「っぁあ……っ、ちあきぃ、そこ、やぁ……っ!」
ふっくらと膨らんでいる痼りを遠慮なく千昭の指に押し潰されるたび、強烈な痺れが走り頭が真っ白になりかける。すがるように渋谷のシャツを強く掴んで凭れかかると、ちゅっちゅっと渋谷は耳殻に吸いつく。
ああ、だめだ、前も、後ろも、鼓膜も、いやらしい水音が響いている。意識を保っていられない。もう理性はどこかへ吹っ飛んでしまいそうだ。いっそ吹っ飛んでしまえばきっと楽になるのだろう。だけど、王であるためにはいかなる時も理性を保たなければと、眉根を寄せる。
「っ白金、なーによそ見してんだよ、もー、なにもかも考えねーで、バカになって、俺たちと気持ちよくなろーぜ……ッ!」
「ひ、ぅう……は、っ、はぁ……ッ」
俺の心をあっさり見抜いた渋谷に裏筋を撫でられ、ぞくぞくと腰が震える。馬鹿になれだと? 王が馬鹿になったら、誰が渋谷を制御するんだと快感で潤む瞳で睨むと、ぢゅぽんと千昭の指が秘部から引き抜かれた。
あ、いやだ、もっとしてほしい、やめないでくれ。はしたなくて、口にできるわけもないけれど、体は馬鹿みたいに正直だ。キュンキュンと千昭の指を求めて寂しげにヒクついている。
「渋谷くんとは嫌になるほど意見が同じだね、ねぇミチル、馬鹿になっちゃおうよ――渋谷くん、ミチルの処女は俺がもらうけどいいよね?」
「っよくねー、よ! でも、位置取りに失敗した俺がわりーし、譲ってやるよ!」
なぜ渋谷に確認をする? 俺に確認しろ!
思わず千昭を睨むように振り返ると、ヌチュヌチュとヒクつくそこに千昭の性器が擦りつけられている。
あー、もう、馬鹿になってしまえ!
「っちあきぃ、はやく、してくれ、……ッ」
ぼろぼろと快感から生じる涙をこぼしながら、千昭を見つめる。きっと汗と涙でぐしゃぐしゃな顔だ。みっともなくて、はしたない。それなのに、千昭の白い頬はぶわっと興奮で赤く染まり、尻たぶをむにゅっと強く掴まれて大きく割り開かれた。はくはく、秘部が期待をしている。はやく、はやくほしい。
「っ我慢しないって言ってたけど、ミチルの中に挿れることだけは我慢してたんだ、思いが通じ合っていないから。でももう本当になにもかも我慢しないからね――ミチル、愛してるよ、すべてを受け止めて」
千昭はいつだってしたいようにしている、我儘で自由な男。みんなにそう思われているし、俺もそう思っていたけれど、たったひとつだけは、俺のために我慢してくれていたのだ。それならば、王は民のためにすべてを受け入れよう。
「千昭のわがままで、じゆうなところも、ここも、ぜんぶ、おれさまが受け止めてやる、……っは、ぁんっ」
千昭の唇に甘く吸いついて、すりと頬を撫でていると、俺にも構えとばかりに渋谷の太い指が先っぽをぐりぐりと無遠慮に擦り上げる。
「っ白金、俺のことも、ちゃんと愛せよ!」
「っっし、ぶやぁ……っ、っぁっああ、っすき、しぶや……っ!」
正面を向き直して、ぬるついた渋谷の先っぽを撫でるけれど、ほとんど力が入っていない。それでも、渋谷は荒い息をこぼす。渋谷も気持ちよくなってくれているのだと実感して、裏筋を合わせる。もっと渋谷を気持ちよくしたい。一緒にイきたい。
「ねぇミチル、俺は? 俺のことは、どう思ってるの?」
その間にもちゅっちゅうと千昭の亀頭が秘部にキスをしてくる。俺の愛をほしがる男たちがどうしようもなく可愛くて、愛おしい。
「ぁき、ちあき、すき、すき……っんんンぅ――……ッひ、ぁあん!!」
ずちゅん! 千昭の性器が奥深く突き刺さり、渋谷の大きな手にぐちゅうと鈴口を揉みこまれる。視界一面に白が広がり、喉を大きく仰け反らせる。ビュクビュク俺と渋谷の性器から勢いよく白濁が噴き上がり、渋谷のシャツを、俺の胸をひどく濡らした。
「っぁっああ、……っち、あきぃ! もぅ、イッた、からぁ!」
「っミチルのナカ、よすぎて動かないとかむりだよ、たくさん愛させてッ」
あ、ああ、息ができない、苦しい、でもきもちいい、イったばかりで頭がふわふわと馬鹿になっている。
指で触れられて気持ちよかった痼りを千昭のモノでゴリュゴリュ押し潰され、視界がチカチカと白く光った。
指とはまるで違う。長くて太い千昭のモノが、みちみち肉襞を割り開かれ、痛みも確かに覚えるが、それ以上に気持ちがいい。指とは比べものにならないほどの快感に甘い痺れが止まらない。
「っねぇ、ミチルのココ、キュンキュンって、俺のモノに吸いついて離したくないって、ッ!」
ずりゅうと雁首まで引き抜かれると、キュンキュンと千昭のモノに甘く吸いついてしまう。ちがう、俺はそんなはしたないことをしたいわけじゃない、体が勝手にしているんだとふるふる首を横に振る。
「っぁ、あっああ……ッん、ぐッ!」
入り口にぬちゅぬちゅ雁首を引っ掛けられ甘いだけの刺激を与えられていたのもつかの間、ズチュンッと一際卑猥な音を立て、また奥まで突き上げられる。あまりの衝撃にビクビクと足を跳ね上げると、渋谷の大きい手が太腿に這った。
千昭の昂りも、渋谷の手も、熱くてたまらない。とぷ、とふたたび性器からよだれがこぼれる。またイってしまう、怖い、きもちいい、助けて。たまらず、目の前にいる渋谷の首に腕を回してすがりついた。
「っ白金、目ハートになってんじゃん、クソエッロいけど、そんなにチアキのちんぽが気持ちいいとか、クッソ妬ける、なッ!」
「っひ、ぅう……ッ! まっ、しぶや、まて、やら、ぁ……ッ」
助けを求めたはずなのに、渋谷はちっとも助けてくれない。れろ、と目尻の涙を舐めとられ、ビンビンに勃ち上がったままの突起を引っ張り上げられていた。
目がハートになるわけがないだろう、馬鹿なのか! 頭の中では渋谷の胸を叩いているのに、実際には突起をぎゅうと抓られて、図らずも千昭の昂りをきゅううと締めつけてしまった。
「っ、……ミチ、ル、っ……、やばい、そんなに締めつけられたら、我慢できない……、っ」
はっ、はぁーー、と千昭の熱い吐息がうなじに触れ、腰の律動を止める。中で千昭の昂りがビクビク脈打っているのがわかり、緩めなければとすーっと息を吐くも、意地悪げに微笑む渋谷と目が合った。
「チアキ早くイッちまえよ、我慢はもうしねえんだろ? おい白金、もっと締めてやれ、よっ!」
「んンんっ――ッしぶやぁ、やめ、ッ……っぁ、ああ、っちあきぃ、……ッ!!」
ぐちゅぐちゅ、よだれをだらだらこぼす鈴口を渋谷の太い指先が擦り上げる。いまそこ擦られたら、あ、だめ、だめだ、むり、もう、イっちゃう――チカチカ、激しく視界が点滅し、快感の波を堪えることができずに大きく仰け反り、千昭の昂りにいっそう吸いつく。直後千昭に尻たぶを鷲掴みされ、ビュクビュクッと最奥に灼熱の欲望が広がった。どぷどぷ、白濁があふれだした俺の性器を渋谷は握り込むと、最後の一滴まで搾り取る。
チカチカ、点滅の激しさが増す。あ、もうだめだ、と渋谷の胸元に凭れかかり、意識を手放した。
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