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「……寒くないんですか?」 「君の方が寒いんじゃないのか。冷たい」  ハルヤの体を反転させて、お互いに向き合った。上目遣いに自分を見つめてくるハルヤが、後に手を回して自らの帯に手をかけた。  スルスルと蛇のように長くなった帯を、布団の端に置く。 「見過ぎですよ」  淡い光に頬を染め、口元に笑みを浮かべるハルヤはどこか妖艶だった。  肩から着物を滑らせる姿に、松原は目を奪われる。お預けを食らっている犬のような気分にさせられた。  白い長襦袢姿のハルヤが、松原の肩に手を置いて膝立ちの体勢を取る。  松原はハルヤを支えるように、腰に手を添えた。下から見上げる形になり、見下ろしてくるハルヤの端正な顔立ちに影が落ちる。 「僕は……あなたといると、気持ちがかき乱されてしまう」  ハルヤはそう言って、松原に顔を寄せてくる。間近に迫った艶やかな面立ちに、松原は息を詰めた。 「最初からそうでした。きっと僕は、初めからあなたを気になって仕方なかったのかもしれない」  柔らかな唇が触れる。何度も吸い付くようなキスを交わし、松原が襦袢の細帯を解く。  白い肌が襦袢の隙間から見え、小さな胸の突起に顔を寄せた。

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